研究課題/領域番号 |
02454219
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮森 勇 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (40142278)
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研究分担者 |
高崎 秀昭 金沢大学, 医学部附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アンジオテンシンII / エンドセリン / 高血圧 / SHR / 糖尿病ラット / 腸間膜動脈 / 高血圧自然発症ラット / 血管平滑筋 / エンドテリン |
研究概要 |
1.高血圧の実験モデル動物とされる高血圧自然発症ラット(SHR)を用い血漿エンドセリン(ETー1)濃度および腸間膜動脈から放出されるETー1を測定し、対照ラットと比較した。その結果血漿ETー1濃度はSHRおよび対照ラットとも加齢と共に増加したがいずれの週齢に於てもSHRでは対照に比べ高値を呈した。特に高血圧の発症前(5週齢)において血漿ETー1濃度がSHRで有意に高値(20vs 13.8pg/ml)であったことは高血圧の維持のみならずその発症機構にも当該ペプチドの関与が示唆される。腸間膜灌流実験系に於てもSHRでETー1の放出量は多く血漿濃度を反映する結果であった。 2.血管障害を来たしやすい糖尿病の実験モデル動物とされるストレプトゾトシン糖尿病ラット(STZーDM)においても同様の検討を行なった。その結果STZーDMでは対照ラットに比べ血漿ETー1濃度5.1vs3.0pg/mlP〈0.05)および腸間膜灌流液中のETー1量(35.8vs14.9pg/ml/h)は有意に高値であった。このことはSTZーDMにおいては血管内皮の障害が生ずる結果、ET産生が亢進する事を示しており、血漿ETー1濃度が血管障害のマ-カ-となる可能性を示唆する成績である。 3.インタ-ロイキン(IL)はサイトカインの一種として血管内皮細胞においても細胞機能の調節に関与する可能性がある。腸間膜灌流実験系での検討では、ILー2がETの産生亢進することが示された。ILー2は抗腫瘍薬として臨床応用が期待されているが、血管内皮への影響を知るマ-カ-としてETの血漿濃度の測定が有用である。 4.以上の結果をまとめると血管内皮および血管平滑筋細胞では局所的に産生されるペプチドが血管の緊張や他の機能を調節しており一部血管障害の病因にも関与する事が明かとなった。今後、ETの受容体拮抗剤を用いることにより、治療への展望に関しても実験を重ねたい。
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