配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
1.非特異性造影剤:Gd-DTPAを用い腫瘍の鑑別能,治療効果の評価につき検討した。診断能はSE法を用いた遅い相で肝細胞癌と海綿状血管腫は高率に可能であったが(正診率94%),肝細胞癌の7%が海綿状血管腫のパターンを示した。この所見はGd-DTPA量が多くなると増加すると予測され,0.05mmol/kgの4倍量投与しより早期でのSE法で検討した処,肝細胞癌の15%がこのパターンを示した。 一方,dynamic studyをMRI,CTで比較したがscan間隔・時間,方向が異なっているが,性状診断が異なる程所見の違うものは3%に過ぎず,よりcontrast enhancementが強く(殊に遅い相),安全なMRIに利点が認められた。またこの利点はLipiodolを用いたTAE後の治療効果,再発の早期発見には,この影響を受けることのないMRIが有利であるが,放射線の治療効果の判定にも用い得るか,CTに優れるかは未だ結論が得られていない。 び漫性疾患に対する評価として,肝硬変症,射放線肝炎を用い検討した。非鉄沈着型の再生結節は造影によりGlisson鞘が染まり,結節信号が等から低となるが,不良な空間分解能からCTに加える所見は乏しい。放射線肝炎では肝細胞癌に遅れ,徐々に濃染するものとかなり早期に染まりのpeakのあるもの,余り染まらないものが認められ,この機序の差異を線量,照射後期間,組織から解明するのに至っていない。また肝炎後塊状線維化巣と腫瘍の鑑別は困難であることが,肝移植のために摘出したPittsburgh大の材料を用い明らかとなった。 2.網内系摂取造影剤:DAB肝癌を用いiron oxide,Glutalの2剤につき投与量,撮像時間につき検討した。前者についてはウッドチャックおよびヒトにおいて網内系を有する高分化型肝細胞癌が存在し,検出能の向上のみでなく,腫癌の性状診断に寄与し得ることを証明した。尚胆汁排泄性,肝細胞レセプター結合性造影剤については使用の機会がなかった。
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