研究概要 |
平成3年度の研究実施計画に基づき研究を行った。その研究成果は,次の通りである。 (1)平成2年度に引き続き,本年度は鹿児島県,大分県,佐賀県において編集された昭和20年代の生活カリキュラムの資料の発堀,調査,収集を行った。その結果,鹿児島県関係20点,大分県関係の9点を収集した。佐賀県については,調査を行ったが未収集に終った。 (2)平成2年度に収集した資料と前述の平成3年度に収集した資料を類型,分析する前提として,新教育期に全国のカリキュラム編成に影響を与えた生活カリキュラムの一般的傾向と類型化を行った。その結果,それらは,学校単独のカリキュラム,基底及び学校カリキュラム,地域教育計画型のカリキュラムに類型できること,またそれぞれは,教科別(社会科)カリキュラム,統合(または相関)カリキュラム,コア・カリキュラムに類型できることを明らかにした。 (3)前述の類型をもとに,九州各県で収集した資料の類型化を行った。その結果,九州地方の生活カリキュラムの編成の状況は,全国的動向とほぼ同じ傾向を示していることを明らかにした。 (4)次に,九州各県の生活カリキュラムのうち,中等教育及び中等社会科関係のカリキュラムに絞って,その構造の分析を行った。 (5)九州地方の中等教育及び中等社会科の生活カリキュラムの特色としては,コア・カリキュラムの形態をとるものが存在しないこと,さらに地域カリキュラムは,ほとんど基底カリキュラムと地域教育科画型のカリキュラムの合体型であることを明らかにした。 前述の(2)から(5)についての考察すなわち,九州地方における新教育期の生活カリキュラムの類型及びその構造の分析結果は,研究成果報告書の中で詳しく論じた。
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