研究課題/領域番号 |
02J01340
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
二穴 喜文 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 月・太陽風相互作用 / 月尾部真空領域 / 太陽風プラズマ / 両極性拡散 / 月 / 非熱的電子 / プラズマ不安定 |
研究概要 |
月尾部の真空領球と太陽風領域の境界部分においては、太陽風電子と陽子の熱速度差により太陽風は分極し、電位構造が生成される。この電位差は、過去の間接的な観測によって400V程度であると推定された一方で、計算機実験では40V程度と結論されている。この不一致は過去の計算機実験におけるいくつかの仮定によって生じるものであると考えられる。特に月の真空領域につながる磁力線に沿って熱的太陽風電子の10倍以上(strahl成分)のエネルギー帯に双方向流の電子が観測されている(Futaana et al.,2001)ことから、過去の計算機実験では無視されてきたこの非熱的電子が、電位差生成に影響を及ぼしていると考えられる。そこでこの非熱的成分を加えた計算機実験を行なった。 昨年度作成したコードによって、月尾部真空領域での計算機実験の有効性が示されたが、本年度はより現実の物理に近い状況を想定し計算を行なった。昨年度行なった熱的電子を用いた計算で比較的大きな電位構造が見られていたが、strahl成分の電子を加えることにより、さらに大きな電位構造が再現された。また、このstrahl成分の電子が反射される様子も見られ、観測された太陽風電子の速度分布関数と同様の分布が再現された。 一方、これまで真空領域が形成されると考えられていた比較的月に近い領域にも非常に薄いプラズマが進入することが可能であり、その領域において、音波モードと考えられる波動が存在することが今回の計算機実験により初めて示唆された。これは予想していた新たな電位構造の生成機構には直接結びついていないが、より下流における動的なプラズマ不安定構造の発展に寄与していると考えられることから、月尾部における電位生成に対して、間接的な影響を及ぼしている可能性があることが示された。
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