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西ヨーロッパ諸国とトルコの都市空間構造に及ぼすトルコ移住民に関する社会地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03041071
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関流通経済大学

研究代表者

寺阪 昭信  流通経済大学, 経済学部, 教授 (30008643)

研究分担者 RUSEN KELES  アンカラ大学, 政治学部, 教授
若林 芳樹  金沢大学, 文学部, 助教授 (70191723)
水内 俊雄  富山大学, 人文学部, 助教授 (60181880)
山本 健児  法政大学, 経済学部, 教授 (50136355)
堀川 徹  京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (60108967)
中林 一樹  東京都立大学, 理学部, 助教授 (80094275)
山口 真  流通経済大学, 社会学部, 教授 (50166625)
KELES Rusen  アンカラ大学, 政治学部, 教授
FLUCHTER Win  デュイスブルグ大学, 第6専門領域地理学系, 教授
足立 信彦  東京大学, 教養学部, 助教授 (10175888)
古石 篤子  慶応大学, 総合政策学部, 助教授 (20186589)
研究期間 (年度) 1991 – 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1992年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1991年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
キーワードトルコ人 / アンカラ / 教育水準 / 都市構造 / 住宅政策 / 都市のイメージ / 居住地選好 / 空間認知 / 外国人労働者 / 帰還移住民 / 都市計画・交通問題 / 言語教育 / ドイツ / フランス
研究概要

1.イギリスではロンドンにおける代表的なトルコ人の集中地区であるイシュリントンとハックニー地区において女性の社会的地位と識字率についてアンケート調査を行った。ここでは言語能力の程度が各種の活動の制約条件となっている。トルコ人の絶対数が少ないこの都市では多数を占めるアフルカ,カリブ海,アラブ系の人々の間に埋没しているように見える。しかし,ここでは旧植民地であったキプロスからの移住者が多いことが大陸諸国と違う点であり,彼らが最近増加しているクルド系の難民とどのように異なって存在するかは今後の課題である。
2.ドイツにおいては,主としてベルリン,ケルン,シュツットガルト,デュイスブルグ,ミュンヘンの大都市において昨年度に引き続いて調査を行い,多くの資料を収集することが出来た。トルコ人の社会的な状況がつかめた。居住の隔離現象についても正確に把握することが可能となった。それぞれの都市において,トルコ人の居住区が形成される過程は各都市の発達史と産業構造および都市構造を反映したものである。基本的に彼らは工業労働者であるから住宅地区の施設,公共住宅の形成,企業の社宅などの分布を反映している。その集積のうえに外国人として最も人口が多いゆえに,トルコ人社会を相手とする様々なトルコ人によるトルコ人のためのサービス産業が成立するのである。デュイスブルグの例はその典型である。その点においてマグレブ系の人々の社会的施設を利用できる少数派のフランスの場合とは空間構造が異なる。
文化的社会に異質な集団が形成されることにより,本国以上に宗教への回帰が強まり,モスクの必要性が高まるが,ドイツ諸都市内部におけるその存在形態もまたトルコ人の集積規模の差が反映してくる。また,社会への統合に向けてさまざまな組織が動いているが,州による差異も大きい。ここでも学校教育が最も基本的であり,一般にトルコ人の子弟の教育水準は低いが次第に改善されつつある。上級学校への進学率には地域差が大きい。ドイツ統一後,難民が増加するなかで反外国人感情の高まりは第1にトルコ人に向けられ,その地位は微妙に変化している。
3.トルコにおいては,本年度は都市構造を捕らえる一つの方法としてインテンシブな調査を,主としてアンカラ大学2つの異なる学部の学生を対象として都市のイメージ調査を行った。彼らがアンカラの街を空間的にどのように捕らえているか,個人の属性の差異,すなわち基本的にはアンカラ出身者と地方出身者,さらにドイツなどからの帰国子女という集団の差がどう認められるか。これは現在まだ分析中である。全般的には地図情報と乏しいこの国において正確な空間像を求めることには無理がある。これは職業運転手においても地図を描くことに困難を感じているところ端的に現れている。距離と方位との歪みは大きい。とくに南北が逆転して捕らえられていることの意味付けが課題となる。しかしながら,トルコ国内の都市の認知に関してはアンカラ市内のレベルよりは確かであり,これは教育水準の問題として捕らえられる。都市については人口規模とともに国境付近の周辺部に位置する都市の重要性が高く,内陸部の都市については位置の手掛かりが少ないためにあいまいさが大きい。住みたい都市についてもアンカラ大学の学生のためにかアンカラが飛び抜けて高く評価されているのが目につく。
居住の関係では,アンカラ市内における居住地の移動を調べた。地方出身者が多くかなりの頻度での移動が認められる。都市内の地名の認知と居住地の選好との関連が課題となる。また移動に使われる交通手段がそれに作用する。住みたい場所についても明確な傾向が認められる。これらは学生よりも企業の事務職員,タクシー運転手,ホテル従業員,市場の商人,大学関係者などの幾つかの社会階層からデータを集めた。日本人学校についても調査の協力を得て,個体数は少ないが児童にアンカラの手がき地図を描いてもらった。居住地区が限定されていることからくる歪みと,親の行動圏からくるそれとによって予想された以上に狭い範囲に認知が限られていた 。

報告書

(2件)
  • 1992 研究成果報告書概要
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (18件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (18件)

  • [文献書誌] 山本 健児: "移民労働者の出身地域-在独トルコ人をめぐる議論の再検討をふまえて" 経済志林. 60. 65-111 (1993)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 山本 健児: "都市構造とトルコ人居地区-ドイツ,デュイスブルグの事例" 人文地理. 45. (1993)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 山本 健児: "在独トルコ人子弟の学校教育と空間的セグリゲーション" 大原社会問題研究所雑誌.

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 水内 俊雄: "東ドイツの都市と難民問題" 富山大学学園ニュース. (1993)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 寺阪 昭信: "フランス社会におけるトルコ人" 経済地理学年報. 40. (1994)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中林 一樹: "イギリスの都市政策とマイノリティー" 経済地理学年報. 39. (1993)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 寺阪 昭信編: "イスラム都市の変容-アンカラの都市発達と地域構造" 古今書院, 280 (1994)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Keiji YAMAMOTO: "Spatial Segregation of Turkish Immigrants in German Metropolises ;" Geographical Review of Japan Ser.B. A comparative studies of five metropolises. 66. (1993)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Itsuki NAKABAYASHI: "Hazard Perception of Residents and Urban Seismic Vulnerability in Turkey" Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University. 29. (1994)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akinobu TERASAKA ed.: Keizai University. Geographical Views in the Middle Eastern Cities IV Migration Problems, 80 (1993)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akinobu TERASAKA ed.: Ryutsu Keizai University. Geographical Views in the Middle Eastern Cities V Image of the City, 60 (1993)

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      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 寺阪 昭信: "アンカラの都市発展と都市構造2" 流通経済論集. 26ー1. (1992)

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      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 寺阪 昭信: "フランスにおけるトルコ人" 経済地理学年報. 38. (1992)

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      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 山口 真: "複合民族社会における教育文化に関する研究" 社会教育年報D. 1. 29-41 (1992)

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      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 山本 健児: "ドイツにおける外国人自営業者と都市構造" 経済志林. 60. (1992)

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      1991 実績報告書
  • [文献書誌] K.Yamamoto: "Residential Segrigation of Foreigners from the Former Recruiting Countries in the German Metropolises" Geographical Review of Japan Ser.B. 65-2. (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 水内 俊雄: "在日朝鮮人二世は発言する" 地理. 37ー3. 18-22 (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] A.TERASAKA ed.: "Geographical Views in Middle Eastern Cities III" Ryutsu Keizai University Press, 120 (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

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公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

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