研究課題/領域番号 |
03402053
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松井 秀樹 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005980)
矢野 信三 (1993) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60005915)
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研究分担者 |
矢野 信三 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60005915)
箕西 靖秀 (箕西 靖季) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70005958)
木村 晃彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (90195355)
中嶋 英雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30134042)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
39,800千円 (直接経費: 39,800千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1992年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1991年度: 29,100千円 (直接経費: 29,100千円)
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キーワード | 核融合炉材料 / ヘリウム効果 / 照射欠陥 / ヘリウム昇温脱離測定法 / 照射損傷 / ヘリウム / バナジウム合金 / ヘリウム脆性 / 照射効果 / トリチウムトリック |
研究概要 |
本研究によりヘリウム照射欠陥の相互作用に関して以下のような描像を得ることができた。変位損傷がヘリウム導入量に比べて著しく少ない場合には、ヘリウムは格子間にとどまる割合が多く、極めて高速で拡散する。このためにヘリウムの粒界への集積が生じやすくなり、脆化に導く。このような状況はトリチウムトリック法で最も顕著で、サイクロトロン注入がこれに続く。トリチウムトリック法によるヘリウム添加後中性子照射した場合には、照射により導入された主として原子空孔によりヘリウムが補捉され、粒界へのヘリウムの輸送が妨げられてヘリウム脆化は緩和される。DHCE法のようにヘリウム生成と中性子照射による変位損傷の形成が同時に生じる場合には、導入されたヘリウムは直ちに空孔等により補捉されるために、ヘリウム脆化は著しく低減されることが明らかとなった。この状況は実際の核融合炉環境に非常に近いと考えられるため、従来懸念されていたほどにはヘリウム脆化は問題にならないという、極めて重要な結論を得た。 溶質原子とヘリウムの相互作用に関しても、原子寸法因子との明瞭な相関が明らかとなった。すなわち、強くアンダーサイズの溶質原子、たとえば鉄やクロムはヘリウム原子を強く補捉し、拡散を著しく抑制する。このことは、変位損傷の敷居値以下の低エネルギーでのヘリウム注入で、電子顕微鏡観察とTHDSの両方で明らかとなった。アンダーサイズ原子のこのような特性は、高温でのヘリウム脆化を抑制する観点から有効であると考えられる。
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