研究課題/領域番号 |
03405004
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岸本 健雄 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00124222)
|
研究分担者 |
大隈 圭太 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (20221822)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
21,900千円 (直接経費: 21,900千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1991年度: 15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
|
キーワード | M期 / MPF / cdc2キナーゼ / cdc2・サイクリンB複合体 / suc1-アフィニティ・クロマトグラフィー / 核移行 / 染色体凝縮 / 分裂装置 / cdc25フォスファターゼ / ヒストンH1 / ヒトデ卵 / アフリカツメガエル卵 / 微小管 / 中間径繊維 / MAP / suc1産物 / ビメンチンキナーゼ / MTOC / suc1遺伝子 |
研究概要 |
MPFは真核細胞に共通のM期誘起蛋白質キナーゼで、その分子的実体はcdc2遺伝子産物とサイクリンBとの複合体(cdc2・cycB;cdc2キナーゼ)とされている。本研究では、MPFが分裂期を制御する機構について以下の成果を得た。 1.cdc2キナーゼ標品:分裂酵母suc1遺伝子産物をリガンドにもつアフィニティ・クロマトグラフィーで、suc1産物を含まないcdc2・cycBをワン・ステップで高度に精製する方法を開発した。これにより、MPFの機能の解析が可能になった。 2.細胞内局在:cdc2・cycBはG2/M期境界では細胞質の局在するが、M期誘起にあたって、まず細胞質中で活性化されたあと、一部は核内に移行し、他の一部は分裂装置に集積すると判明した。これらの局在の変化は、実際の細胞内においてcdc2キナーゼがM期を実現するのに決定的な意味をもつといえる。 3.染色体凝縮誘起:従来、cdc2キナーゼがヒストンH1をリン酸化することにより染色体凝縮がおこると考えられていた。しかし本研究で、ヒストンH1はなくても正常に染色体は凝縮すると判明した。このことは、染色体凝縮誘起におけるcdc2キナーゼの真の標的はヒストンH1以外に存在することを意味しており、従来の通説を覆すものである。 4.分裂装置形成:cdc2・cycBはサイクリンBとMAP4との結合を介して、微小管に集積すると判明した。しかもこのときMAP4がcdc2キナーゼでリン酸化されるとその微小管安定化能が消失し、微小管が短小化すると判明した。これらの効果は、M期における分裂装置形成に貢献していると考えられる。
|