キーワード | α-1,2-マンノシダーゼ / α-1,3-マンナナーゼ / マンノオリゴ糖 / α-1,3-マンノビオース / 高マンノース型オリゴ糖 / α-1、3-マンノシダーゼ / α-1、3-マンノビオース / α-1、3-マンノオリゴ糖 / α-1、3-マンナナーゼ / α-マンナナーゼ / αー1,2ーマンノシダ-ゼ / αー1,2ーマレノビオ-ス / 逆合成糖 / αー1,6ーマンナナ-ゼ / αーマンノシダ-ゼ |
研究概要 |
本研究の目的は、各種マンノシダーゼあるいはマンナナーゼを利用して、糖タンパクN-グリコシド型糖鎖の骨格となる高マンノース型オリゴ糖鎖を調整することを目的としている。初年度は、土壌より単離した細菌Bacillus sp M-90が、1-2-α-マンノシダーゼを分泌することを見出し、同酵素を精製し性質を明らかにした上で、α-1,2-マンノオリゴ糖の逆合成による調製法を検討した。同酵素はD-マンノースを基質として逆反応を行うと、α-1,2マンノビオース及びα-1,2-マンノトリオースを生成した。一方先に我々のグループで見つけられたBacillussp TN-31〓のエンドα-1,6-マンナナーゼを使用してのD-マンノースからの逆合成は見られなかった。第2年度は新規α1,3-マンナナーゼの探索と同酵素によるα-1,3-マンノシド結合オリゴ糖の調整を目的とした。α-1,3-マンナナーゼは未発見の酵素であるが、市販キクラゲより得たα-1,3-マンナンを主鎖とするヘテロ多糖を唯一の炭素源とする培地を用いて、土壌より同酵素生産菌をスクリーニングしたところ、グラム陰性の一細菌を得た。同菌の培養濾液より、α-1,3-マンナナーゼを部分精製し、基質特異性を確認したところ、α-1,3-マンナンのみを加水分解し、他のα-マンノシド結合(α-1,2-あるいはα-1,6-マンナン)にはまった作用しなかった。本酵素のα1,3-マンナンに対する作用様式は、分解物の経時的解析からエンド型と考えられる。反応最終寨物は、α-1,3-マンノビースとマンノースであり、反応条件を変えることで、より〓合度の高いα-1,3-マンノオリゴ糖の調整も可能である。本研究の目的である高マンノース型糖鎖の調整という観点からは、今まで化学合成でしか得られなかったα-1,3-マンノオリゴ糖を、本酵素を使用することにより、市販のキクラゲから安価に大量に調整できるという結果が得られたことで、初期の目的は達成されたと考えられる。
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