研究課題/領域番号 |
03670188
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
阿部 達也 秋田大学, 医学部, 助教授 (80128363)
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研究分担者 |
石田 和人 秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
吉村 堅太郎 秋田大学, 医学部, 教授 (90053058)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | IL-3 / 粘膜肥満細胞 / 排虫 / 防御 / C57BL / 6マウス / 腸管 / Strongyloides ratti / Nippostrongylus brasiliensis / Nippostrongylus Brasiliensis / ILー3 / ヌ-ドマウス |
研究概要 |
C57BL/6(B6)マウスにIL-3を連続腹腔注射することにより、糞線虫(Sr)感染ピーク時の30-40%に相当する腸管の粘膜肥満細胞(MMC)を誘導できる。これにより、MMC機能の解析がさらに容易になった。B6マウスではSr排除は小腸から盲腸へ、盲腸から排虫へと二段階で起きる。Sr感染により盲腸でもMMCは増加するが、排虫時期に一致して盲腸での好酸球、胚細胞の増加が顕著であり、小腸と盲腸では排虫のエフェクターが異なる可能性がある。ヌードマウスにSrとN.brasiliensis(Nb)を同時に感染させ、IL-3を連続投与すると、Srは排除されたが、Nbは排除されなかった。したがって、SrとNbに対する排虫機構は異なる。計10^4U以上のIL-3をB6マウスに反復投与した後、Srを感染させると腸管での強い防御が起きる。IL-3投与により効果的な腸管防御を誘導するには4-5日を要した。防御効果に相関して腸管MMCが増加した。IL-3投与したマウスにSrを経口感染させると、感染後6時間以内で防御が観察される。IL-3により誘導される防御には抗原特異的な免疫応答は関与しないと思われる。この防御は経口感染された幼虫に対してだけではなく、移入された成虫に対しても効果があった。しかし、皮下感染の後、頭蓋腔で観察した体内移行幼虫に対する防御には影響がなかった。肥満細胞欠損W/W^VマウスではIL-3投与によりSrに対する腸管での防御を誘導できなかった。非感染マウスにIL-3を投与すると腸管腔内のMMC特異的プロテアーゼ濃度が200倍に増加し、MMC数も有意に増加した。したがって、MMCはIgE非依存性に脱顆粒する。以上を総合すると、Srに対する腸管での防御にはMMCが関与すると言える。しかし,Nbの防御にはMMcは関与しないと思われる。腸管線虫に対する排虫エフェクター機構は寄生虫の種により異なるのであろう。
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