研究課題/領域番号 |
03670412
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
服部 孝道 千葉大学, 医学部, 助教授 (30114317)
|
研究分担者 |
榊原 隆次 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
安田 耕作 千葉大学, 医学部, 助教授 (00211615)
安田 耕作 千葉大学, 医学部, 助教授 (70009710)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 排尿障害 / 前頭葉 / 血管性痴呆 / Parkinson病 / 尿失禁 / 脳血管障害 / 脳血管性痴呆 |
研究概要 |
前頭葉は知能にも関与すると共に排尿機能にも重要な役割を有し、その病変で種々の排尿障害が起こることが知られている。しかし、その具体的内容についてはあまり明らかでなかったので、尿流動態検査を行なって検討した。その結果、排尿障害には排出障害を主徴とするものと、蓄尿・排出の両障害を主徴とするものの2者がみられ、責任病巣として前者では前頭葉内側上部病変が、後者では内側下部病変が考えられた。血管性痴呆患者の排尿障害の内容を検討した結果、高度な排出障害を有するものより、高度な蓄尿障害を有するものの方が多く、痴呆の程度と排尿障害の程度とに明らかな関連はなかった。また無抑制収縮が高頻度にみられ、排尿障害の主な病態機序は骨盤神経の核上性障害によると考えられた。無作為に選択した脳幹梗塞30名中で8名に排尿症状があり、尿失禁は4名、尿閉は3名にみられた。責任病巣として橋被蓋排尿中枢およびその下行路が考えられた。進行性核上性麻痺の排尿障害について検討してみると、約90%に排尿障害があり、尿失禁や残尿の多いものも少なくないことが分かった、また、Parkinson病でも詳細に検討してみると、約60%に排尿症状があり、尿失禁は約30%にみられた。下部尿路に作用する薬物が排尿障害の治療薬として良く使用されるが、痴呆老人に対する有効性はほとんど検討されてない。そこで切迫性尿失禁を有する15名の痴呆患者に使用したところ、約2/3の症例に有効であった。対象を選択するとかなりの効果が期待できることが分かった。脳循環改善薬である塩酸moxisylyteやbifemelane hydrochlorideの排尿障害についての有効性を検討した結果、両薬物は刺激症状にも閉塞症状にも有効なことが分かった。副作用の少ないこれらの薬物は脳血管障害後遺症の排尿障害の第一選択薬になり得ると思われる。
|