研究課題/領域番号 |
03670472
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
足達 教 久留米大学, 医学部, 助教授 (30131741)
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研究分担者 |
岡本 俊昭 久留米大学, 医学部, 助手 (30224075)
野津原 昭 久留米大学, 医学部, 助手 (30198600)
真弓 文仁 久留米大学, 医学部, 助手 (60199916)
山本 喜一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (00210526)
坂梨 俊彦 久米留大学, 医学部, 助手 (30196076)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 特発性心筋症 / 免疫組織化学 / アドリアマイシン心筋症 / PCR法 / ミトコンドリアDNA / コエンザイムQ10 / フリーラジカル / 心疾患 |
研究概要 |
臨床的研究の結果から、特発性心筋症の心筋に酵素レベルでミトコンドリア異常が存在することが示唆された。これはこれまでの特発性心筋症のmtDNAに異常が存在するという報告を支持するものである。しかし、異常例に特徴的な組織学的および臨床的所見は認められず、これは心臓全体に及ぶ異常というよりむしろ局所的な変化であり、心筋症の病因というよりむしろ心筋症の病態を修飾している因子ではないかと考えた。更に不整脈疾患にもmtDNAの欠失を証明したことより、我々は、このミトコンドリア異常は、心疾患になんらかの要因により二次的に発生しうる可能性を考えた。そこで果たしてミトコンドリアDNA欠失が二次的に発生するのかを証明する目的で、アドリアマイシンによる実験的心筋障害を作成したところ、ミトコンドリアにDNAの欠失が発生した。これはミトコンドリアDNA欠失が二次的に発生することを証明した最初の報告である。またミトコンドリア内の過酸化脂質量が増加していた。興味あることに、欠失の発生頻度はアドリアマイシンの投与濃度や期間に関連していた。これは欠失の発生にはある一定の環境的条件が必要なことを示している。さらに、Coenzyme Q10を同時に投与すると欠失の発生頻度が減少し、Coenzyme Q10はこのようなmtDNA異常に防御効果を有することが示された。Coenzyme Q10は、細胞に障害を引き起こすフリーラジカルのスカベンジャーとして注目されており、この結果は、心筋のmtDNA欠失の発生にフリーラジカルが大きく関与していることを示唆している。
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