研究課題/領域番号 |
03671067
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
堀江 利治 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (90120154)
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研究分担者 |
林 正弘 東京理科大学, 薬学部, 教授 (20012669)
粟津 荘司 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60012621)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ビタミンA / メトトレキサート / D-グルコース / 消化器障害 / 腸管吸収 / マウス白血病細胞L1210 / 小腸クリプト細胞 / 細胞培養 / マウス肉腫細胞ザルコーマ180 / 小腸粘膜 / 抗癌作用 / 小腸培養細胞IEC-6 / L-ロイシン / メトトレキサ-ト / Dーグルコ-ス |
研究概要 |
MTXによる消化器障害をビタミンAが防御することを我々は既に発見しているが、本研究ではこれを癌化学療法に応用するための基礎を確立するために次の3点について検討した。(1)ビタミンAの消化器障害防御機構の解明、(2)各種栄養物質の吸収性が改善されていることを明示すること、(3)抗癌剤の抗癌効果がビタミンAを併用することによって失われることがないこと.そして以下に示す研究成果を得た。1.ラット由来小腸培養細胞IEC-6を用いたIn Vitro実験でMTXによる消化器障害をビタミンAが防御する機構の解明を試みたが、この機構を明らかにするには至らなかった。しかしビタミンAを併用したラット小腸より単離した小腸クリプト細胞の機能は正常であるが、MTXだけを投与したラットのクリプト細胞は損傷を受けていることを明らかにしている。したがって、ビタミンAのMTXによる消化器障害の防御は、ビタミンAの小腸クリプト細胞に対する防御効果によるものと考えられる。2.MTX投与したラットでは、D-グルコース、D-キシロース、L-ロイシンの小腸からの吸収性は低下しているが、ビタミンAを併用したラットでは、これら栄養物質の吸収性は改善されている。したがって、ビタミンAを併用することにより、MTXによる吸収不良が改善されることが判明した。3.L1210マウス白血病細胞を用いたIn Vitro実験ではビタミンAはMTXの抗癌効果を妨害しなかった。またL1210マウス白血病細胞およびSarcoma 180肉腫細胞を移植したマウスを用いたIn Vivo実験でもビタミンAはMTXの抗癌効果には影響しなかった。 以上、本研究はビタミンAがMTXの抗癌効果に影響することなく、MTXによる消化器障害を防御することを明らかにした。このことはMTXの癌化学療法にビタミンAを併用することで、より効果的な癌化学療法を行うことができる可能性を示している。
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