研究課題/領域番号 |
03J03693
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
太田 俊彦 大阪大学, 大学教育実践センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ヒッグス粒子 / 線形加速器 / レブトンフレイバーの破れ / 超対称性 / ニュートリノ振動 / 長基線実験 / CP非保存性 / 物質効果 / フレイバーの破れ |
研究概要 |
ヒッグス粒子を媒介とするレプトンフレイバーの破れを将来の加速器実験で観測する事を提案した論文二編を出版した。ヒッグス粒子を介したレプトンフレイバーの破れた相互作用は素粒子標準模型を超えたヒッグス湯川セクターの直接的証拠であり、重要な示唆を高エネルギー領域での模型に与えると期待される。 一編目の論文は線形加速器に於いて実の軽いヒッグス粒子を生成しそれがタウレプトンとミューオンに崩壊する過程について考察した。線形加速器の高い測定精度により、現在の実験結果を考慮しても、最小超対称模型の範囲内でも十分に有意な信号が得られる場合があることがわかった。 続く、二編目では、ミューオン蓄積リング或いは線形加速器の固定標的実験を念頭に、それらビームと原子核とのヒッグス粒子を媒介としたレプトンフレイバーの破れた深非弾性散乱の探索を試案した。この中で、我々はビームの高エネルギー化に伴う原子核内の海ボトムクォークの割合の上昇が信号の著しい増加をもたらす事を示した。 また、掲載予定の三編目論文では、最小超対称模型に右巻きニュートリノを加えた枠組で、始状態又は、終状態にニュートリノを含むレプトンフレイバーの破れた相互作用の結合定数について調べた。以前の論文に於いて我々は将来の長基線ニュートリノ振動実験での、それら相互作用の観測可能性について議論している。 我々が想定した理論的枠組みの範囲内では、全てのレプトンフレイバーの破れた相互作用の起源は、ニュートリノ湯川相互作用を通じて生じるスレプトン混合であり、その為、各々の相互作用の間には相関関係がある。我々は模型に内在するパラメタを走査し、ニュートリノを含む相互作用と含まない相互作用の間の相関を明らかにした。 これにより、ニュートリノを含むレプトンフレイバーの破れた相互作用は、現在までの荷電レプトンセクターの実験結果から強く制限を受けることがわかった。
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