研究分担者 |
渡辺 桂 帝京大学, 医学部, 助手 (10246043)
菊田 好則 帝京大学, 医学部, 助手 (30129994)
稲田 英一 帝京大学, 医学部, 助教授 (40193552)
印南 比呂志 帝京大学, 医学部, 助教授 (60102240)
大島 孝 帝京大学, 医学部, 助手 (40223804)
手塚 新吉 帝京大学, 医学部, 研究助手
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配分額 *注記 |
28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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研究概要 |
1.臨床麻酔下で,呼吸と呼気中の麻酔薬,O_2,CO_2の濃度を質量分析器で,肺の換気量を流量計で,それぞれ,連続的に測定し,それらの値をコンピュータで演算処理することにより,吸入麻酔薬の摂取と排泄に関する研究やVO_2とVCO_2の連続的測定が出来るシステムを完成させた。 2.揮発性吸入麻酔薬の摂取動態に関する研究 上記のシステムを用い,出血量が軽微で手術時間の長い手術患者を対象に,イソフルランとセボフルランの体内への摂取の経時的変動を観察した。吸入麻薬の体内への摂取率は,両者とも,経時的に減少した。しかし,摂取率の経時的減衰曲線はBMIが25以上の肥満患者では比較的緩徐な下降であったが,非肥満患者では急峻な下降を示した。肺胞気中濃度の吸気中濃度に対する比(F_A/F_r)の経時的上昇が肥満患者では,非肥満患者の場合に比し,緩徐となった。これらの知見は,肥満患者では多量の脂肪組織への揮発性麻酔薬の取り込みが長時間にわたって持続することを示唆している。他方,F_A/F_rの経時的上昇曲線は,イソフルランの場合に比し,セボフルランでより急峻であったが,これは血液/ガス分配係数がセボフルランで大きいためであると思われる。 3.全身麻酔下でのVO_2とVCO_2の変動に関する研究 (1)従来,口腔外科領域の手術の際,口腔粘膜下へのエピネフリン(Ep)の投与後にVO_2とVCO_2の増加が観察されている。そこで,これらの増加のメカニズムの解明のため,口腔外科手術患者を対象にEp投与後のVO_2とVCO_2の経時的変化を観察した。その結果,Ep投与後にVO_2とVCO_2は共に増加するが,この増加は30分以上も持続することから,Ep投与後のVO_2とVCO_2の増加はEpによる代謝の亢進によると推定された。 (2)HypocapniaのVO_2に及ぼす影響.軽度のPaCO_2の低下ではVO_2は変動しなかった。
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