研究課題/領域番号 |
04451007
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
山折 哲雄 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40102686)
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研究分担者 |
森岡 正博 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (00234245)
鈴木 貞美 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (60179207)
森岡 正博 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (80192780)
柏岡 富英 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (40142591)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 生命観 / 日本文化 / 大正生命主義 / 日本の宗教 / 日本思想 / 生命倫理 / いのち / 生命 / 天寿 / 生命主義 / 生命科学 / 生命論 / 宗教 / 日本人 |
研究概要 |
三年間の研究によって、日本人の生命観とその宗教性の様相を包括的に解明することができた。まず第一に、日本人の生命観の底部に、神道的な来世観と、浄土仏教的な来世観が、特に色濃く反映されていることが明らかになった。これらの傾向は、古代の万葉集にもあらわれているし、時代を下った近代の小説群、たとえば志賀直哉の「暗夜行路」などにも反映されている。それだけではなく、我々が本研究の一部として行なった「生命観アンケート」への回答の中にもそれらの影響が見られるのである。 第二に、我々は現代日本の生命倫理の社会問題となったいわゆる「脳死臓器移植問題」に関する言説群を分析し、その中に、上で述べたような伝統的な生命観と、それに対抗する科学的な生命観とを、同時に発見した。つまり、現代日本人の生命観は、伝統的なものと現代的なものとのモザイクであり、一元論に把握することはできず、むしろそれら二つのあいだに引き裂かれていることが明らかになった。 第三に、我々は、大正時代の思潮を包括的にとらえるためのコンセプトとして「大正生命主義」の解明を行なった。このことばは、分担者のひとりである鈴木の造語であるが、大正時代の文化を、「生命」というアスペクトから統一的に把握すめのキーワードとして、徐々に受容されはじめている。我々は、大正生命主義と、10年代の生命主義との連続性についても議論を行なった。 以上の研究成果は、我々3名の、数冊の著書および多数の論文の中でに詳しく展開された。
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