研究課題/領域番号 |
04451027
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
古崎 敬 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60051281)
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研究分担者 |
増田 直衛 慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (60118510)
山田 亘 高知大学, 教育学部, 教授 (40036653)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 知覚体制化 / 実験現象学 / ゲシュタルト心理学 / 知覚研究の方法論 / ステレオカイネティック現象 / 図一地分節 / 層化 / 透明視 / 音脈分凝 / 知覚心理学 / 知覚の体制化 / 面の層化 / 非感性的完結化 / amodal completion / 図-地分節 / ネオンカラー効果 / neon color spreading |
研究概要 |
本研究においては、多様な日常の知覚現象を直視し、日常経験する現象から問題を見出だし、それを厳密に記述、分析し、その結果として包括的原理ないしは理論を導きだすという知覚心理学本来の姿を取り戻すことを主張する。我々は、知覚心理学独自の方法論の確立をめざし、具体的な実験を通して、実験現象学的アプローチ、ゲシュタルト心理学の必要性を検討した。この立場のいっそうの理論的明確化、方法論的意義を、国際シンポジウムや日本心理学会大会における円卓討議において問うた。 理論の明確化の根拠としての実験的事実は、図一地分節、層化、対比、透明視、運動視、聴覚における音脈分業、事象の知覚(風の知覚を含む)など、広範に及んでいる。それぞれの実験的検討の中で、実験現象学的アプローチ、ゲシュタルト心理学のとってきた道を再検討し、現象学的・記述的アプローチの意義を問うている。 今日の知覚心理学の問題領域は拡大し、その分析手段も多岐にわたって進行している。我々が経験する物や出来事の体験が、固有の脳の情報処理機能の結果であることは否定できない。それらを生理学的事実を基礎としたモデル、計算論的モデル、へルムホルツの復活を思わせる構成主義的モデル、によって説明しようと、多くの研究者の関心が向けられている。しかし、これらの知覚心理学の研究の進め方を展望すると、多くの心理学者は古典的科学主義、還元主義に陥り、また学際的研究の名のもとに知覚研究の内容は多様化する一方で、理論的には非常に狭い視角の中で議論が進められていることは否定できない。こうした中で、具体的な観察ないし実験的事実から知覚心理学の固有の問題を見いだしていく方法論は、現象学的アプローチないし記述的アプローチ以外に道はないと考える。
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