研究課題/領域番号 |
04454252
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
原 耕平 長崎大学, 医学部, 教授 (80039495)
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研究分担者 |
賀来 満夫 長崎大学, 医学部, 講師 (40224357)
古賀 宏延 長崎大学, 医学部, 講師 (50225398)
河野 茂 長崎大学, 医学部, 講師 (80136647)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | HTLV-1 / tax / rex mRNA / gag / pol mRNA / 肺疾患 / 肺胞洗浄液 / HTLV-I / 呼吸器疾患 / 肺胞マクロファージ |
研究概要 |
Human T-lymphotropic virus type 1(HTLV-1)は成人T細胞性白血病(ATL)の原因ばかりでなく、HTLV-1関連脊髄症(HAM/TSP)のような炎症性疾患の原因ウイルスであることが知られるようになり、肺を含む色々な臓器で炎症を引き起こすことが示唆されている。しかしHTLV-1と臓器での炎症反応との関連性はまだ明確にされていない。肺でのHTLV-1発現とその効果を明確にするために、HAM/TSP患者5名を含むHTLV-1感染者21例より肺胞洗浄液細胞(BALC)と末梢血単核球(PBMC)を採取しreverse transcription-polymerase chein reaction(RT-PCR)を使用することで、HTLV-1の発現を検討した。HLLV-1 tax/rex mRNAはBALCでPBMCより優位に発現しており、それとは逆にgag/pol mRNAはPBMCで優位に発現していた。またHAM/TSP5例を含むBALCにおいてtax/rex mRNAを検出した12症例は、検出しない9症例に比べて、BALCにおいてリンパ球増多と活性化リンパ球比率の増多が見られ、肺にリンパ球による炎症が存在していた。HTLV-1自身の複製はgag/pol mRNAの発現が末梢血に比較して低いことから、肺でのウイルスの複製の活性化は否定的であった。このBALCとPBMCにおけるHTLV mRNA発現の違いはブロウイルスの量やウイルス遺伝子の変異が原因ではなかった。HTLV-1による肺での炎症を持つ症例には共通の臨床的特徴は見い出せなかったが、以上より、肺でのHTLV-1 tax/rex mRNAが炎症の場で重要な役割を果たしていることが示唆され、肺においてHTLV-1が炎症肺疾患が引き起こしていることが明確にされた。
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