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強膜の発育制御に関する研究-実験近視モデルを用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 04454438
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 眼科学
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

所 敬  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20013865)

研究分担者 川崎 勉  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30204712)
赤澤 嘉彦  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70159317)
船田 みどり  東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10143554)
吉野 幸夫  東京医学歯科大学, 医学部眼科, 構師 (50158490)
研究期間 (年度) 1992 – 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
キーワードヒヨコ / 実験近視 / 視性刺激遮断 / 免疫組織化学 / 組織培養 / 成長因子 / 強膜軟骨細胞 / 強膜線維芽細胞 / 網膜色素上皮細胞 / 暗所飼育 / TGF-β / 培養軟骨細胞 / b-FGF / 網膜色素上皮 / 強膜 / 眼軸長 / 電子顕微鏡 / ストレインゲージ
研究概要

(1)視性刺激遮断の条件と近視化:孵化後2日の白色レグホン雄の片眼あるいは両眼にプラスチックゴ-グルを装着し12時間明所12時間暗所の条件で飼育し2週間目に諸検査を行った。片眼に半透明あるいは黒色のプラスチックゴ-グルを装着した眼は20D以上の強度近視となり著明に眼軸が延長していた。両眼にプラスチックゴ-グルを装着した場合にも半透明あるいは黒色の差はなく両眼とも20D以上の強度近視となり著明に眼軸が延長していた。24時間暗所の飼育環境下ではゴ-グル装着眼で眼軸延長はみられなかった。
(2)組織学的検討:、ゴ-グル装着眼(実験近視眼)の後極部強膜軟骨層においてPDNA,decorin,TGF-β,IGF-II,phosphotyrosineの発現が増加していることが免疫組織化学によって明らかになった。このことから、実験近視眼の後極部強膜軟骨層における細胞増殖能の亢進と細胞外マトリックス合成能の亢進が形態学的に確認され、さらにTGF-β,IGF-IIなどの成長因子の関与が示唆された。電顕観察から実験近視眼の後極部強膜軟骨層において盛んなremodelingが行われていることが示唆され、後極部強膜線維層においてはコラーゲン細線維の狭細化、各細線維間隙の拡大が観察された。
(3)生化学的検討:上記の実験近視眼から後極部組織を採取し、bFGFおよびTGF-β2を抽出しELISAによって定量した。bFGFは近視眼で有意に低下し、逆にTFG-β2は実験近視眼で有意に増加していた。
(4)培養系での検討:1、ニワトリ胚強膜軟骨細胞にb-FGF,TGF-β,TGF-α、IGF-I,IGF-II,PDGF-AB,PDGF-BB,PDGF-AAを添加した結果、PDGF-AAで反応が無かった以外、全ての成長因子が軟骨細胞の増殖能を亢進させ、特にb-FGFの効果が顕著たった。2、ニワトリ胚網膜色素上皮細胞とニワトリ胚強膜軟骨細胞とをco-cultureした結果、co-cultureした群では軟骨細胞の増殖能が亢進した。3、ニワトリ胚網膜色素上皮細胞の培養上清中に、b-FGFが検出された。4、培養網膜色素上皮細胞とのco-cultureのシステムを用いて、従来から眼軸長延長を抑制するとされているアポモルフィンの作用機序を検討した結果、アポモルフィンは網膜色素上皮細胞を介して軟骨細胞の増殖を抑制することが示唆された。
(5)脈絡膜の伸展性:ウシの眼球各部位の脈絡膜の張力検査を行った。脈絡膜の前後方向の伸展度は輪状方向より伸びやすかった。このことは眼球が後極方向に延長することのひとつの説明になると考えられた。
(6)実験近視猿眼での検討:生後12か月のカニクイ猿の右眼に瞼々縫合をし、約4年後に開瞼し、以後9年間飼育した。これらについて諸検査を実施後、眼摘し組織学的検討を行い、最も近視度の強い一匹(-19D)に網膜脈絡膜病変をみた。この組織学的所見は短後毛様動脈穿通部で脈絡膜がヘルニア様に後方に隆起していた。電顕所見では、Bruch膜に強い加齢変化がみられた。そこで、実験近視の網膜脈絡膜萎縮の発生には加齢が関係していると思われた。

報告書

(4件)
  • 1994 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1993 実績報告書
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 所敬: "強度近視の眼軸延長機転と網膜脈絡萎縮" 日本眼科学会雑誌. 98(12). 1213-1237 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akazawa Y,Tokoro T,Funata M: "Oculara ulse and pulsative change of scleral strain in living in situ rabbit eyes." Optometry Vis Sci. 71(3). 207-211 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Seko Y,Shimokawa H,Tokoro T: "Expression of TGF-β2 and BFGF in experimental myopia in chicks." Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.36(in press). (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Seko Y,Tanaka Y,Tokoro T: "Influence of bFGF as a potent growth stimulator and TGF-β as a grouth regulator on scleral chondrocytes and scleral fibroblastes in vitro." Ophthalmic Res.(in press). (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Seko Y,Tanaka Y,Tokoro T: "Scleral cell growth is influenced by retinal pigment epithlium in vitro." Graefe's Arch Clin Exp Ophthalmol. 232(9). 545-552 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 所 敬: "屈折異常とその矯正 訂正第2版" 金原出版, 252 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takashi Tokoro: "Mechanism of axial elongation and chorioretinal atrophy in high mypia" J.Jpn Ophthalmol.Soc.98 (12). 1213-1237 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akazawa Y,Tokoro T,Funata M.: "Ocular pulse and pulsative change of scleral strain in living in situ rabbit eyes" Optometry Vis Sci.71 (3). 207-211 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Seko Y,Tanaka Y,Tokoro T.: "Scleral cell growth is influenced by retinal pigment epithelium in vitro" Graefe's Arch Clin Exp Ophthalmol. 232 (9). 545-552 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Seko Y,Tanaka Y,Tokoto T.: "Influence of bFGF as a potent growth stimulator and TGF-beta as growth regulator on scleral chondrocytes and sclera fibroblasts in vitro" Ophthalmic Res.(in press). (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Seko Y,Shimokawa H,Tokoro T.: "Expression of TGF-beta2 and bFGF in experimental myopia chicks" Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.36 (in press). (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1994 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 吉野幸夫: "ヒヨコ実験近視モデルにおける視性刺激遮断の条件と近視度数の関係" 厚生省特定疾患網膜脈絡膜萎縮症調査研究班平成4年度研究報告書. 97-99 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 草刈匡代: "ヒヨコ実験近視モデルにおける強膜の形態変化とPCNAの局在" 厚生省特定疾患網膜脈絡膜萎縮症調査研究班平成4年度研究報告書. 100-102 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Yuko Seko: "Scleral Cell Growth is influenced by Retinal Pigment Epithelium in Vitro" Graefe's Arch Clin Exp Ophthalmol. (in print).

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 船田 みどり: "ヒヨコによる実験近視モデル(予報)" 厚生省特定疾患 網膜脈絡膜萎縮症調査研究班 平成3年度研究報告書. 115-117 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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