研究概要 |
昨年に引き続き宮崎市木花下水処理場に設置した処理能力100m^3/日のパイロットプラントによる実験的研究を行った。本年度は最初沈殿池を省いて,沈砂池流出水を直接噴流撹拌固液分離槽に流入させるフローにおけるシステムの処理効率を調べた。回転生物膜接触・沈殿装置(RBC)のカバーに太陽光発電パネル(表面積8m^2)を取付けそこでの発電電力によってRBCを稼働させる実験を行った。冬期間ではあったが晴天時には1日に8時間程度の稼働が可能であった。以下に,本年度に得られた成果を記す。 1)処理流量100m^3/日,接触体回転速度2rpm,Al添加量5mg/L,固液分離槽滞留時間45分の条件において処理水のSS濃度は5mg/L,BODは8mg/L程度であった。 2)固液分離槽に多孔板を挿入した場合としない場合の実験により,多孔板の通過噴流速度が10cm/s,間隔が20cmにおいて最大のSS除去率が得られることを確認した。 3)Al添加濃度が高くなる程固液分離槽でのリン除去率は高いが,Al添加濃度が2.5mg/Lと低い場合でも,微細な不溶解化リンがRBC生物膜に付着除去され65%程度のリン除去率が得られた。 4)固液分離槽でSSの90%近くが除去された。分離汚泥の濃縮性は良好で,脱水比抵抗も通常の最初沈殿池汚泥と同等の10^9S^2/gのオーダであった。
|