研究課題/領域番号 |
04670353
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
西 克治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60073681)
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研究分担者 |
山本 好男 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60111902)
山田 光子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80145911)
福永 龍繁 三重大学, 医学部, 教授 (70156800)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ABO血液型抗原 / 男性生殖器 / 進化 / ABO遺伝子 / 精子成熟 / ABO式血液型 / 分子生物学 / 免疫組織化学 / レクチン組織化学 / ABO血液型関連抗原 / 男性生殖器官 |
研究概要 |
最終年度の研究では、ヒト男性生殖器に発現されるABH関連抗原の生理学的意義を探るべく、哺乳類での精巣、特に精巣上体でのABH関連抗原の発現を免疫・レクチン組織化学的に検討を加えた。ニホンサル、イヌ、ウサギ、ラット、ヒト精巣でのレクチン組織化学は前年に報告した如く、精母細胞にガラクトース特異的レクチンの染色性が種を越えて見られ、EELやHPAなどの染色性は、幾分、種特異的傾向を示した。今年度はネコ及びラットの精巣上体部での検討を行った。ラツト精巣上体部は、精巣輸出管部から精巣上体管に至るに伴い、上皮細胞での血液型A型特異的レクチンであるHPAやDBAの反応性が増強しつつ見られ、管腔内分泌液や精子にも染色性が認められた。前立線では、凝固線部上皮細胞のゴルジ装置領域に抗A,Ley抗体の反応性が見られ、又EELやGSAI-B4の反応性も顕著に見られた。ネコでは、精巣輸出管部から精巣上体管に至る全領域で抗A抗体とH抗原前駆物質に反応性を有するECAレクチンとの反応性が顕著にみられ、LexやLey抗体との反応性も精巣輸出管部で見られた。これらのことは、精子成熟にABH関連抗原糖鎖が密接に関係していることを示していると考えられる。 哺乳類分泌細胞に認められたABH関連抗原がヒト同様な遺伝子の働きによるものか否かを検討するためにキンギョ、マストミス、ラット、ハムスター、ウサギ、ブタ、ニホンザルの血液からDNAを推出し、ヒト血液型A転移酵素遺伝子の塩基配列に基づき3組のプライマーを合成、推出DNAを鋳型とし、PCR増幅を行った。得られた産物の電気泳導パターンは、同一動物では同じで、異種動物では相違していた。ヒト試料をプローブとしてハイブリダイゼーション行うと反応性が見られ、シークエンスを行えたニホンザルでは、人の塩基配列と極めて類似し、動物種を越えてABH抗原遺伝子の存在の可能性が示された。
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