研究課題/領域番号 |
04J02196
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 東京工業大学 (2006) 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 (2004-2005) |
研究代表者 |
高橋 太 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 地磁気 / ダイナモ作用 / 地球中心核 / 水星磁場 / 電磁流体プロセス |
研究概要 |
1.水星磁場の起源を調べるために、水星モデルに対するMHDダイナモシミュレーションを行った。その結果、水星磁場が核内でのダイナモ作用によって生じている場合には非双極子成分が卓越する複雑な形態になる可能性があるという示唆が得られた。更に、海外の研究者との協力の下、水星内部磁場の成因に関するレビュー論文を執筆した。 2.ダイナモシミュレーションから得られた磁場逆転現象の解析を行った。結果、逆転が起こるには逆極性磁場がコアの深部で生成されることが必要であることが分った。更に、逆転現象に至る過程において、横倒しになった螺旋状磁場構造が生成されることを発見した。この磁場構造は磁気四重極子成分を含み、地磁気の逆転期間中に特徴的な変動である可能性が示唆される。 3.ダイナモシミュレーションの結果から磁場、対流構造の特徴的な長さスケールを計算した。その結果、対流のスケールはエクマン数というパラメータの減少と共に小さくなるが、磁場のスケールはほぼ同程度で、磁場と対流構造の間にスケール分離が起こることを発見した。更に、核内での粘性散逸、オーム散逸のスケーリング則を導き、スケール分離を適応した結果、現実の地球核内のオーム散逸の見積もりと良い一致が得られた。一方、粘性散逸はオーム散逸に比べて非常に小さいと考えられてきたが、本研究での見積もりでは同程度になる可能性も示され、地球の熱史問題への新たな示唆が得られた。 4.コアーマントル境界での熱不均質が地球ダイナモに与える影響をダイナモシミュレーションで調べた。その結果熱不均質の振幅が大きくなるとダイナモ作用が効率良く働くようになり、磁場が安定し、強度が大きくなることが分かった。この結果はこれまでのダイナモシミュレーションとは反対の結果であり、我々の、より実地球環境に近い低粘性でのシミュレーションによって初めて得られた結果である。この結果、白亜紀スーパークロンのような磁場極性が安定した時期では磁場強度が大きかった可能性が示唆される。
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