研究課題/領域番号 |
04J10203
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大串 研也 東京大学, 物性研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 構造相転移 / Re酸化物 / 超伝導体 / 高圧合成 / 金属絶縁体転移 / Ir酸化物 / 磁性 / 単結晶育成 |
研究概要 |
Cd_2Re_2O_7はパイロクロア型酸化物で唯一の超伝導体であるが、近年、200K付近の構造相転移に注目が集まっている。低温相では反転対称性が破れており、光第2次高調波が発生する。また、構造相転移に関わるソフトフォノンが観測されている。こうしたポーラー金属状態への転移に対する共有結合性の効果を明らかにするために、よりイオン結合的なCa_2Re_2O_7と、より共有結合的なPb_2Re_2O_7に対する精密物性測定を行った。 帯磁率と比熱から、Pb_2Re_2O_7では構造相転移温度が280Kに上昇する一方で、Ca_2Re_2O_7では転移は消失していることを見出した。透過電子顕微鏡により、Pb_2Re_2O_7の低温相が、空間群F43mあるいはその部分群で記述される事を明らかにした。共有結合が強まるにつれ反転対称性の破れた結晶構造が安定化される点は、強誘電体物質の典型であるペロブスカイト型Ti酸化物と類似している。Ca_2Re_2O_7,Cd_2Re_2O_7,Pb_2Re_2O_7いずれの物質においても、ポーラー金属相は良い金属伝導を示す一方で、空間群Fd3mで記述される高温相では、電気抵抗率がほとんど温度変化を示さない。この異常の起源として、ソフトフォノンと電子の結合に由来するポーラロン伝導を、新たに提案した。ポーラー金属状態と超伝導状態との相関を調べるために、100mKまでの極低温磁化測定を行った。その結果、Ca_2Re_2O_7とPb_2Re_2O_7は、超伝導転移を示さない事が分かった。超伝導相の有無は、極性金属状態の有無とは対応が無く、他の制御パラメーターに支配されている事が明らかとなった。
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