研究課題/領域番号 |
05041002
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
荒木 美智雄 筑波大学, 哲学・思想学系, 教授 (60103032)
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研究分担者 |
CARRASCO Dav プリンストン大学, 教授
LONG Charls カルフォルニア大学, サンタバーバラ校, 教授
山中 弘 愛知学院大学, 文学部, 助教授 (40201842)
中野 毅 創価大学, 文学部, 教授 (00164252)
黒田 悦子 国立民族学博物館, 教授 (60110079)
中川 正 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80207729)
池上 良正 筑波大学, 哲学・思想学系, 助教授 (60122925)
綾部 恒雄 愛知学院大学, 文学部, 教授 (30037030)
CHARLES H. L カルフォルニア大学, サンタバーバラ校, 教授
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1994年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 民衆宗教 / 救済観 / ガダルーペのマリア / エスニック・グループ / ペンテコステ派 / 創価学会(北米・中米の) / 神癒 / スネーク・ハンドリング / 民衆宗教運動 / ペンテコステ・カリスマ系教会 / ペンシルベニア・ダッチ / モルモン教徒 / 新興セクタ / 脱キリスト教化 / 非日系創価学会員 |
研究概要 |
本年度は計画の最終年度にあたるため、昨年の成果と反省をふまえて、さらに個別テーマの深化、あるいはアメリカ・メキシコ両地域の比較という視点から、それぞれのテーマに沿った調査研究を行なった。本研究は、本来3年計画で申請を出したが、2年度までしか認められず、また予算額もかなり圧縮されたこともあって、当初予定していた十分な調査を実施できず、予察段階にとどまる部分も残された。 以下、各研究者ごとに、具体的概要を記す。 まず、代表者の荒木は、地元研究者との析衝や情報交換に努め、いくつかの大学や研究所において、北米地域における民衆宗教の研究に関する最新の資料や成果の収集を行なった。さらにメキシコのガダルーペのマリア信仰の祭礼に焦点を合わせて、祭礼の参与観察、およびその宗教学的分析に必要なデータの収集を行なった。 綾部は、アメリカ先住民、ユダヤ人コミュニティ、アーミシュ、日系アメリカ人などのエスニックグループを訪ね、その宗教生活の現状を人類学的視点から綿密に調査した。 黒田は、テキサス州サンアントニオ、ニューメキシコ州、アルバカーキ、アリゾナ州トゥソンの3都市において、メキシコ系アメリカ人の伝統宗教であるカトリックを離れ、福音主義的プロテスタント、とくにSDA教会に改宗する人々の動きに注目し、彼らの実態調査を行なった。トゥソンでは、これらセクト的集団が、長老派教会の礼拝堂を借りて集会を持っている事例などを集中的に調べた。 中野は、昨年度に引き続き、当該地域における日系新宗教、とくに創価学会の活動の実態と現地への定着の特性について、主として聞き取りと、会員へのアンケート配布による調査を実施した。今年度はロサンゼルス市と、メキシコ市、グアダラハ市を重点調査地域とした。 池上および中川は、7月にロサンゼルスで開かれた超教派のペンテコステ・カリスマ系宗教者の集会(FGBMFI世界大会)で参与調査を行なうとともに、キリスト教的「神癒」に関する文献・資料を多数収集し、その分類・考察を行なった。とくに神癒のミニストリーを信徒の霊体験に即して考察し、そこに個別的霊体験の「解放」「管理」「育成」という3つの仮説的類型を立てて、様々な神癒論を概観するとともに、ニューエイジ的ヒーリングとの連関、影響関係、民俗宗教的基盤とのダイナミクスなどについても考察を行なった。 山中は、昨年度実施した概括的な調査を継続しながら、その焦点を民衆キリスト教であるペンテコステ派の教会、とくに蛇を使用することで知られる、いわゆるスネ-ク・ハンドリングの民衆教会に合わせて、文献・参与の両面から実地調査を試みた。その分野の権威であるアラバマ州オーバン大学のD.H.Harrell教授、テネシー州チャタヌガ校のH.Burhenn教授、R.Hood教授、東テネシー州立大学のT.Burton教授などを訪問して基本文献を収集するとともに、ペンテコステ派の信者でもあるD.Kimbroughの案内で、ウェスト・バージニア州にあるチャーチ・オブ・ザ・ロード・ジーザス・イン・ジョロの礼拝に出席して、スネーク・ハンドリングの礼拝の参与調査を実現することができた。 在米のLong、Carrascoの両名は、日本人研究者への助言、問題提起、情報提供を行うとともに、各々のフィールドにおいて、調査・文献収集を行なった。とくにLongは、ニューヨーク、シカゴにおけるアフリカ系及びメキシコ系の宗教運動について、Carrascoは、メキシコ・オアハカにおけるインディオの宗教儀礼について、宗教学的な視点から集中的研究を行なった。 各研究者は、平成7年3月、筑波大学に集まり、調査報告と統括討議を行ない、最終報告書の公刊に向けての打ち合わせも行なった。
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