研究課題/領域番号 |
05267104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
塚田 稔 玉川大学, 工学部, 教授 (80074392)
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研究分担者 |
合原 一幸 東京大学, 工学部, 助教授 (40167218)
加藤 宏司 山形大学, 医学部, 教授 (30006746)
平野 丈夫 京都大学, 医学部, 助教授 (50181178)
水野 昇 京都大学, 医学部, 教授 (10025596)
外山 敬介 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90090505)
津本 忠治 大阪大学, 医学部, 教授 (50028619)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
131,800千円 (直接経費: 131,800千円)
1995年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1994年度: 50,500千円 (直接経費: 50,500千円)
1993年度: 46,300千円 (直接経費: 46,300千円)
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キーワード | シナプスの長期増強(LTP) / シナプスの長期抑圧(LTD) / リン酸化 / 脱リン酸化 / コバリアンス則の一般化 / 視覚野回路形成 / 神経回路のダイナミクスと情報表現 / 視覚ニューラルネット / 神経回路の非線形ダイナミクス / シナプスの長期仰圧(LTD) / スナプスの長期抑圧(LTD) / 細胞内Ca^<2+>濃度 / 時間パターン依存性LTP / 海馬神経回路のダイナミクス |
研究概要 |
細胞レベルで成立していたコバリアンス規則に基づいてどのような神経回路網が構成されるか、その機能について実験と理論の共同研究を実施し、以下のような新しい成果を得た。 ニューロンの平均発火頻度によって情報処理がなされるというニューロンの静的活動を中心とした従来の古典的情報処理の壁を破り、ニューロンの時空間パターンによって情報が処理されるという動的観点からニューロンやニューラルネットの情報処理機能を明らかにした。成果は次の4点に要約される。1つは、オプティカルレコーディング技術の進展によって神経回路網の時々刻々の情報伝達や処理の様子を計測することが可能となり、従来の電極の古典的計測法では不可能であった神経回路のダイナミックに基づく情報表現や情報処理の様子を映像的にとられることに成功した(外山、塚田、飯島)。第2は、動的細胞集合体仮説(藤井、塚田、合原)であり、ニューロンは入力系列の一致性(同期性)の検出器(Coincidence detector)であり、ニューロンの発火の同期レベルがニューロン間の機能的なシナプス結合強度を支配する。この仮説に立てば、システムの構造(解剖学的構造)と入力系列の時空間構造(文脈)の両パラメータによってシステムの発火状態が決定されることになり、神経回路網情報表現能力が飛躍的に増大する。第3は、記憶書き込み機能であり、第2の情報表現と表裏一体をなすのが、塚田らの提案した時空間の統一学習理論である。この学習理論によって時空間パターンによって表現された情報は記憶神経回路に書き込まれる。第4は、記憶読み出し機能である。記憶されたパターン(安定点)を維持しつつシステムを不安定化するような非平衡ダイナミック状態を創り出すモデル、すなわち安定点を渡り歩く時間的非線形ダイナミック(カオスダイナミックス)を持つ理論的モデルを構築することに成功した(合原、津田、奈良)。
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