研究分担者 |
服部 高宏 岡山大学, 法学部, 助教授 (00218504)
佐久間 毅 岡山大学, 法学部, 助教授 (80215673)
守屋 明 岡山大学, 法学部, 教授 (30127592)
西村 稔 岡山大学, 法学部, 教授 (40127577)
江口 三角 岡山大学, 法学部, 教授 (10036113)
加藤 浩 岡山大学, 文学部, 助教授 (00204488)
佐野 寛 岡山大学, 法学部, 教授 (40135281)
吉原 達也 広島大学, 法学部, 教授 (80127737)
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配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
1.この共同研究では,わが国の外国文化研究が背負ってきた「反」ないし「非」レトリックという宿命を払拭するため,西欧で見られるレトリックの復権の動向に触発されつつ,わが国では初めての本格的なレトリックの総合研究を行った。 2.まず,レトリックの古典と歴史に関しては,アリストテレスのレトリック理論とキケロの弁論術についてかなり精密な分析を加えることができた。後は,ローマの弁論教師であるクインティリアヌスの弁論術に取り組むことだけが課題として残った。また,近代ドイツにおけるレトリックと社交術の関係や,18世紀末のドイツにおけるレトリックの没落など未開拓の領域に踏み込むことができ,一定の成果を残すことができた。 3.次に,レトリックの理論に関しては,ベルギーのカイム・ペレルマン,フランスのロラン・バルトらの理論を取り上げた他,日本では萩生徂來や新井白石,さらには早稲田大学雄弁会の歴史を検討した。法との関連では,法的交渉理論,レトリック法理論の意義と射程について考える機会を持った。日本語のレトリックについても,専門家を講師として招き,検討を行った。 4.最後に,レトリックの応用に関しては,とりわけ法的紛争処理論との関連でレトリックの効用について検討を加えた他,とくにドイツの政治実践を例にとって,議会弁論をはじめとする政治家の演説が現代社会においてどのような意義を持っているのかについて考察を行った。 5.次の課題は,レトリックの応用面,とりわけ法との関係におけるそれである。その手がかりとして,まず「手続」をテーマとして取り上げ,これに法の各専門領域固有の観点とレトリック理論の提供する視点と概念とからアプローチすることにより,従来にない「手続」論が展開できればと考えている。
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