研究課題/領域番号 |
05402057
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 良太 東京大学, 農学部, 教授 (10011991)
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研究分担者 |
久保 成隆 東京大学, 農学部, 助手 (40134506)
島田 正志 東京大学, 農学部, 助教授 (10272436)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
19,900千円 (直接経費: 19,900千円)
1995年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1994年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1993年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | 閉鎖水域 / 濁水長期化現象 / 富栄養湖 / 水質タンクモデル / 鉛直一次元モデル |
研究概要 |
今回の研究において幸なことに研究対象としていたダム貯水池において200年に1度程度の大洪水を観測することができた。これは当初には予定できないものであり、その意味から言って非常に好運で得難いデータを多数入手することができた。最初はこの大洪水の水文特性を解析した。その結果この洪水をもたらした降雨は総降雨量ではあまり大きくなく時間降雨量が極めて大きいこと等が判明した。次いでこの豪雨による流域への影響を調べ、特にこの豪雨前後の小降雨での流出特性及び流出水の水質を詳細に比較検討した。その結果、洪水の模様が同程度でも濁水濃度に関しては10倍程度も濁ることが分かった。次いで、濁水流入後の貯水池内の水の清澄過程を2つのダム貯水池で比較した。これら2つのダムは山を挟んで東側と西側にあり、貯水池の規模も豪雨による被害の程度も同程度であった。この調査の結果2つのダム貯水池で清澄過程に大きな差があることが判明し、それがダムの運用方法に大きく影響されていることが分かった。特に一方は農水専用ダムであるのに対し、他方は農水・発電用であって貯水池の回転率が相当に異なっていた。このことは、ダム運用、ダム操作による濁水軽減の可能性を示すものである。このことを模型実験によって調べた。最初は選択取水工のみによる効果を実験で検討したが、その効果が限られていたので濁水の湖水中への拡散をより確実に抑制するため濁水拡散防止幕を試作し、これを模型の貯水池内に張って効果を調べた。その結果、幕を沈み込み点の下流側に水密性を保てる様に張ると非常に効果的であることが判明した。以上今回の研究では当初予測していた以上の貴重なデータを得ることができそれによって研究が著しく進展した。今後は実用化に向けてこの研究を更に発展させていく必要がある。
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