研究課題/領域番号 |
05451114
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
倉澤 資成 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40018057)
|
研究分担者 |
森田 洋 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (70239664)
村瀬 英彰 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (40239520)
秋山 太郎 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (40167854)
矢野 誠 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (30191175)
浅子 和美 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60134194)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | 証券市場 / 発行市場 / 企業金融 / 株式持合い / コ-ポレート・ガバナンス / Capital Market / Security Market / Asymmetric Information / Takeover / Finance and Control / Arbitrage / Asset Pricing |
研究概要 |
(1)従来あまり理論的な分析が行われていなかった、証券発行の非加分性を明示的に考慮した証券の発行市場のモデルを構築し、証券発行市場における競争が資本形成に果たしている役割を分析した。長期資金調達の特殊性は連続性と不連続性の共存にある。長期資金が投下される生産活動は連続的である。つまり、資金量に応じて生産要素の投入量は連続的に調節できるのに対し、長期資金調達は一度に多額の資金を集めるために間隔をおいて行われ、不連続的(離散的)である。証券発行時のこのような非可分性は、発行市場を完全競争的組織とはなじまないものにしている。それにもかかわらず、欧米の証券市場では、企業間・投資家間の競争がかなりの程度まで働くように発行市場が組織されている。こうした特徴をふまえた発行市場のモデルを構築し、とくに、長期企業金融における日米比較に焦点をあて、日本的な排他的・固定的関係をつうじて資金調達がおこなわれる経済と欧米流の証券発行市場において資金調達が競争的におこなわれる経済が想定され、後者の経済の方が効率が高いことが示された。 (2)これに対して、経営者のインセンティブの問題を重視した情報の経済学的な観点からは、株式持合い等は経済の効率に寄与するとの結論が得られた。合理的な株価形成を前提とすれば、株式持合いは効率的な経営をもたらは可能性が大きい。資本市場における「錯覚」によって株式が過大評価されている場合には、敵対的買収からの圧力を遮断することにより、過大な投資などの歪みは阻止され得る。 (3)このような日米の証券市場についての対立する二つの理論的仮説のどちらが現実的であるかは、実証的にテストされねばならないが、現在までのところ日本について後者のような効果があることは部分的には支持されているが、まだ確定的な結論は得られていない。この点のついての実証研究を進展させることが今後の課題である。
|