研究概要 |
沿岸水域における埋立は,わが国の大都市においてますます大規模にれようとしており,そこに建設される都市は高度の発達した,また多岐にわたる機能する巨大都市である.このような都市が一たび災害を受けた場合,直接的ならびに間被害は甚大であり,測り知れない社会的・経済的影響を与えることは,この度の阪神路大震災からも明らかである. 本研究は,沿岸水域の埋立に関して水防災工学の立場から水域の変化測するとともに,沿岸都市の洪水・高潮対策を考察し,都市の高い安全性の確保に貢ようとするもので,つぎに挙げる課題に重点をおいて研究を行った. 1.河川の洪水流出に及ぼす影響 2.洪水,高潮および波浪特性の変化 3.洪水・高潮氾濫の動態と地下空間への浸入 4.埋立による海底形状の変化 5.閉鎖水域の環境改善 これらの成果に立って,埋立の影響評価を行い,埋立計画(規模,形実施時期や順序)を水防災的にみて合理的にするための技術的手段を構築しようとするものである.さらに,災害発生時の被害軽減のための構造物的対策などのハード技術の役割を評価するとともに,予・警報システム,避難計画などのソフト技術のあり方についても検討している. ただし,上記研究課題のずべてが解決されたとは言えず,所期の目的を達するに至らなかった課題もあり,これについては今後さらに研究を進めていく必要がある.
|