研究課題/領域番号 |
05640325
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宇川 彰 筑波大学, 物理学系, 教授 (10143538)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 量子色力学 / 弱い相互作用 / CP非保存 / K中間子 / 散乱長 / U(1)問題 / η'粒子 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
1.K中間子Bパラメータは、素粒子の弱い相互作用に於けるCP非保存の解明の上で重要な量である。これに関し昨年度開始した、格子量子色力学の数値シミュレーションによる研究を完成した。特に、従来から問題視されてきた、ゲージ不変でない演算子とゲージ不変な演算子が同一の結果を与えるかどうかの検討を行い、繰り込み定数に対する摂動の1ループ補正を考慮に入れれば、両者が統計誤差の範囲で完全に一致することを示した。また、動的クォークを取り入れた計算を実行し、Bパラメータへの影響は5%程度と小さいことを示した。 2.K中間子のππ崩壊に於けるΔΙ=1/2則は未だに解決のつかない問題である。この崩壊過程の振幅には、終状態のππ散乱が重要な役割を果たすと考えられている。一般に散乱等、ハドロンの4点以上のグリーン関数の計算を要する量を数値シミュレーションにより求めるには多大の困難があった。これに関し、ウオールソース法の改良を行い、これらの量を計算する一般性の高い方法を開発した。その応用として、ππ、πN、NN散乱の散乱長を求め、特にππのアイソスピン0のチャネル、NNのアイソスピン1/2のチャネルの散乱長を始めて計算した。 3.U(1)問題として長年の懸案であるη'粒子の質量計算にも上記2.の方法が応用できることに着目し、クェンチ近似による計算を行った。その結果、実験値と整合する結果を得、U(1)問題解決への足掛かりをつかんだ。
|