研究課題/領域番号 |
05640489
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
長澤 親生 東京都立大学, 工学部, 教授 (80145664)
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研究分担者 |
阿保 真 東京都立大学, 工学部, 助手 (20167951)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 中間圏界面 / ナトリウム層 / リングレーザー / 大気温度 / ライダー / 共鳴散乱 / 温度測定 |
研究概要 |
本研究は、中間圏界面付近温度測定装置として、狭帯域色素リングレーザー光をパルス色素レーザーにインジェクションする方式のナトリウムドップラーライダーを開発し、ナトリウム原子の分布する中間圏界面付近の温度を容易に測定することを目的とした。まず、東京上空の中間圏ナトリウム層の季節変化、時間変化を明らかにした。ナトリウム原子密度の高さ方向の積分量は11月に最大を示し、5月に最小を示した。層幅の季節変化は全量と異なり半年周期の変動が見られた。また、従来、高緯度と低緯度においては頻繁に観測されるが、中緯度においては極めて発生頻度が少ないと言われてきたスポラディックナトリウム層が、東京上空の中緯度においては特に夏季に頻繁に発生することを確認した。次に、アルゴンレーザー励起色素リングレーザーの精密波長同調システムを試作した。このシステムではヒーターにより熱せられたナトリウム蒸気セルに、両方向からレーザー光を入れsaturation効果により精確な波長基準が得られた。リング色素レーザーを波長スキャンすることによりナトリウムのsaturated spectrumを得ることに成功した。この基準点に精密に波長同調を行うことが精密温度測定の重要なポイントとなる。さらに色素リングレーザーとNd:YAGレーザー励起パルス色素レーザーを組み合わせ、高出力を得るための狭帯域パルス色素レーザーを設計し、試作した。組合せるパルス色素レーザーの最適化をはかるために、最適色素の選択、最適色素濃度の実験的検討を行った。実際に温度を測定する際に、一つのレーザーは従来通りナトリウム原子の蛍光スペクトルの温度依存性の大きいところに正確に同調させ、もう一方のレーザーはナトリウム原子密度の観測に用いてきたスペクトル幅が2GHzと比較的広帯域のパルス色素レーザーを用いることを考案した。繰り返し10Hzの1台のパルスYAGレーザーで上記2台のレーザーを200msごとに交互にポンプすることにより、準同時の2波長測定が可能になりスポラディックナトリウム発生時などの測定中のナトリウム密度変動に起因する誤差を無視できるほど抑えることができることを確認した。
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