本研究は、中間圏界面付近温度測定装置として、狭帯域色素リングレーザー光をパルス色素レーザーにインジェクションシーディングする方式のナトリウムドップラーライダーを開発し、ナトリウム原子の分布する中間圏界面付近の温度を、容易に測定することを目的とした。 前年度に製作した精密波長同調システムを改良し、精密温度測定の重要なポイントとなる基準点に精密に波長同調を行う方法を改良し、同調制度を向上させた。また、色素リングレーザーとNd:YAGレーザー励起パルス色素レーザーを組み合わせたの狭帯域パルス色素レーザーの最適色素の選択、最適色素濃度の実験的検討を行い、出力の最適化をはかった。上記レーザーシステムを現有のライダーシステムに組込み、夜間に試験的に共鳴線内の2波長における中間圏ナトリウム層の測定を行った。得られた2波長における測定データから温度分布を導出するアルゴリズムを確立した。最終結果として中間圏界面付近の温度分布を求めた。
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