研究課題/領域番号 |
05671000
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
青木 克憲 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (20124927)
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研究分担者 |
金子 寛 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10204562)
西野 暢彦 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80228197)
土井 松幸 浜松医科大学, 医学部, 講師 (10155616)
馬場 正三 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40107818)
中井 勝彦 浜松医科大学, 医学部, 講師 (50217642)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | トノメーター / 粘膜PH / Bacterial translocation / アシドーシス / 重症患者管理 / 酸素代謝 / 虚血 / 酸素供給量 / 敗血症 / ショック / 多臓器障害 / 酸素 / PGE1 / ドーパミン / モニタリング / 消化管トノメーター / 外傷性ショック / 臓器障害 / 代謝亢進状態 / 組織酸素 / PGE_1 |
研究概要 |
多発外傷および重症熱傷による外傷性ショック、食道癌術後、遊離小腸移植後、胸腹部大動脈癌術後および敗血症例、計38例を対象に、経時的に胃トノメーターによる胃粘膜pH(以下pHi)を測定し、次の結果を得た。 1)胃トノメーターによる胃粘膜内PH値(phi)は、外傷性ショックからの蘇生後、あるいは大手術直後には、7.3以下に低下したが、大部分の症例で、浸襲暴露から72時間以内に、7.3以上に回復した。しかし、7.3以下を72時間以上遷延した症例は、臓器不全の合併を認め予後不良であった。 2)外傷性ショック15例について、pHi値と、他の指標との関連を見ると、受傷後72時間以内では、乳酸値・IL-6・動脈血中ケトン体比(AKBR)・好中球エラスターゼ(PMNE)・PAI-1と有意の相関を認め、浸襲の程度とpHiとの間に密接な関連を認めた。 3)Swan-Ganz catheterによる循環諸量について検討すると、pHiと酸素供給量(Do2)との間に、有意の負の相関が認められたが、酸素消費量(Vo2)との間には、認められなかった。従って、敗血症など代謝亢進状態における消化管粘膜の酸素化状態は、Swan-Ganz Catheterによる酸素需給の指標と一致せず、pHiのモニタリングは、組織酸素代謝の新たな情報を提供するものとして意義が認められた。 4)腹部臓器血流改善策としてDopaminおよびPGE1の投与を行ったが、後者に比較的、pHiの改善を認めた。 5)胃液pHとpHi値との間に有意の負の相関があり、pHi測定に当たっては、H2ブロッカーの投与が必要と考えられた。 以上より、浸襲下における臓器酸素化指標として、胃トノメーターの有用性を示唆するデータが得られたが、今後は、代謝亢進状態における組織の酸素摂取率を上昇させ、酸素消費量の改善をいかにして行うかが次に課せられた問題と考えられる。
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