研究課題/領域番号 |
05671445
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
今井 透 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00130146)
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研究分担者 |
実吉 健策 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60246410)
野原 修 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20237861)
片山 昇 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60260949)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 肥満細胞 / 走化性 / IL-4 / リンパ球 / ケモカイン / サイトカイン / Mouse / Lymphocyte |
研究概要 |
Balb/cマウス骨髄由来肥満細胞の培養を20週以上長期に継続し、さまざまな分化成熟過程にある肥満細胞を用いた。これらの肥満細胞のヒスタミン含有量は分化成熟過程で変動し、走化性も成熟段階で異なった。次に走化性の誘導物質の検討のために、スギ花粉を点鼻免投したマウスの頸部リンパ節細胞を培養し、IL-4などのサイトカインを産生するT細胞株の樹立に成功した。そのT細胞の培養上清に肥満細胞に対する走化性物質の存在を確認し、IL-4などのサイトカインが主に働くと考えられた。A23187で活性化すると肥満細胞の走化性は亢進し、また活性化された肥満細胞それ自信からもIL-4が産生され、自己増殖的な肥満細胞の組織への誘導や活性化の機序が疑われた。逆に、ステロイド剤や温熱刺激により肥満細胞の走化性の低下が認められ、臨床的な症状が裏づけけられる結果を示した。また環境汚染物質によりリンパ球と肥満細胞からのIL-4産生は増加した。 次にヒトにおいても肥満細胞の走化性誘導物質としてIL-4が関与する可能性を考え、まずヒト末梢血のリンパ球の培養を行いそのIL-4産生を検討した。スギ花粉症患者のリンパ球はスギ花粉とヒノキ花粉の刺激で強く増殖し、その際の培養上清にIL-4の放出を認めIF-gの産生は低下していた。さらに減感作療法を受けることによりこのリンパ球の増殖は抑制された。これらのことにより、ヒトにおいてもIL-4などの炎症性サイトカインによる走化性誘導がアレルギー性炎症の発症に関与していること、さらに減感作療法の機序して肥満細胞の走化性低下が考えられることなどが指示された。ヒトの肥満細胞株の樹立をヒト臍帯血から試みたが、純度の高い細胞が再現性をもって得ることが出来ず走化性の実験は今回は行えなかった。
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