研究課題/領域番号 |
05671720
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
三浦 廣行 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00048563)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 早期接触 / 咀嚼筋活動 / 筋電図 / 歯根膜 / 圧迫刺激 / 咀嚼筋 / 歯根膜反射 |
研究概要 |
不正咬合や顎関節症の病因のひとつに早期接触による顎の異常運動があげられる。これまでの研究から早期接触によって生じた歯根膜からの情報が咀嚼筋の興奮性に影響を及ぼしており、この反射の形成ならびに消失は比較的早期に行われていることが判明した。そこで、本研究では歯根膜に負荷する圧刺激の違いが咀嚼筋に与える影響について検討した。 歯列咬合ならびに顎関節にとくに異常のない成人を対象とし、両側上下顎第一大臼、第一小臼歯、犬歯および上下顎右側中切断の14歯それぞれに頬側から舌側に、舌側から頬側に、さらに歯軸方向の3方向から、1秒間、約1kgの圧刺激を加えた際の咀嚼筋活動の変化を検討した。圧刺激負荷前の筋活動状態として安静時、5Kg、10Kg、15Kg噛みしめ時の4つの状態を設定した。 安静時に歯根膜に圧刺激を負荷すると、ほとんどの歯で興奮性の筋放電が誘導された。10Kgの噛みしめ時に圧刺激を加えると筋放電の抑制が認められた。5Kg噛みしめ時には筋放電の誘導と抑制の両者が認められ、5Kg前後の噛みしめが歯に圧刺激を加えた際に興奮反射が抑制反射に切り替わる境界と考えられた。この逆転現象は、咀嚼時に咀嚼筋がまだ弱い咬合力しか出していない状態で歯根膜に圧刺激が加わるとより強く咬もうとし、すでに大きな咬合力を出している状態で圧刺激が加わると反射的に咀嚼筋の興奮を抑制するといった形で咀嚼運動を調節しているものと考えられる。 一方、歯根膜反射の圧刺激の方向性に関しては、上顎の歯に舌側から圧刺激を負荷した場合、興奮反射は起こらず抑制反射のみが認められた。他方、下顎の歯に関しては舌側からの圧刺激に興奮反射が認められ、歯根膜には刺激方向性があることが判った。 以上のことから、圧刺激による歯根膜からの情報が咀嚼筋の興奮性を変化させ、その結果、下顎運動にも影響を及ぼしている可能性があることが示唆された。
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