本研究の目的は、大学の行ったカリキュラムの自己評価のための調査方法、データの分析手法、評価方法、評価結果に基づいた改善策の実施方法について検討することにある。 平成5年〜平成7年7月に、杏林大学医学部1年生に対し外来患者実習、病院実習を行い、実習終了後、学習内容に関するアンケート調査を実施した。 医学部1年生に実施した外来患者実習(1人の医学部学生が、1人の外来患者が来院した時から離れるまで同行する)後、「医学生としての自覚が強くなった」、「役に立った」と思った学生の割合が高く、外来患者実習は医学教育上効果があった。 医学部1年生に実施した病院実習(1〜2人の医学部学生を病棟、外来などの診療部門と検査、病歴、薬剤などの医療技術部門に配属し、病院医療を体験する)後、外来患者実習と同様の効果が認められた。医学部1年生に実施した外来患者実習、病院実習の体験は、2年生、3年生の講義、実習で役立っていた。 医療科学の講義終了後、医学部学生に対してアンケート調査を実施した結果、大部分の学生が医師となる上で医療科学の講義が必要であると感じていた。 今後は、更に追跡調査を4年生、5年生、6年生に行い、医学部1年生の実習の効果を調査、分析することが必要である。平成9年4月には医療科学の講義が1年生〜5年生に実施されることになるので、このカリキュラムの評価を継続していくことが重要である。
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