本研究の目的は、大学の行ったカリキュラムの自己評価のための調査方法、データの分析手法、評価方法、評価結果に基づいた改善策の実施方法について検討することにある。 医療科学の授業の一環として、杏林大学医学部1年生91名に対して、平成7年7月17日、18日、19日に外来患者実習及び病院実習を実施した。外来患者実習及び病院実習終了後、学習内容に関するアンケート調査を実施し、8月11日までに実習に関するレポートを提出してもらった。その後、9月1日にレポートに関する討議を行った。 配属先での説明とその内容について、配属先での説明が十分であったという学生の割合は約90%と多く、説明の内容に興味を持った学生の割合は約80%であった。 外来患者実習及び病院実習後医学生としての自覚が強くなった学生の割合は、約90%であった。また、外来患者実習及び病院実習が役に立ったと答えた学生の割合は、90%以上であった。 1991年7月18日〜20日に病院実習を体験した医学部1年生100名のうち、3年生に進級した87名に対して追跡調査を実施した。その結果、2年生の講義、実習の中で、「病院実習が役立った」と思った学生の割合が高い科目は、生理学実習、解剖学実習、生理学講義であった。3年生の講義、実習の中では、医学概論、外科学、内科学であった。このように、医学部1年生の時に行った「病院実習」の経験が2年生、3年生の講義、実習において役立っていた。以上より、医療科学実習は、卒前医学教育の上で効果をあげていることが明らかとなった。
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