研究課題/領域番号 |
05807191
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤内 祝 名古屋大学, 医学部, 講師 (50172127)
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研究分担者 |
松井 正顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (90013531)
林 康司 名古屋大学, 医学部, 講師 (10238131)
鶴迫 伸一 名古屋大学, 医学部, 医員
光藤 健司 名古屋大学, 医学部, 医員
雨宮 好文 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50023221)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 温熱療法 / 口腔癌 / インプラントヒ-ティングシステム / シスプラチン / 温熱耐性 / ランゲルハンス細胞 / hsp40 / 温熱化学療法 / 化学療法 / 組織内温熱療法 / Thy-1腸性細胞 / インプラントヒーティングシステム / VX-7癌 |
研究概要 |
インプラントヒ-ティングシステム(IHS)による口腔癌の組織内温熱化学療法の基礎研究として、まず問題となる温熱耐性と局所免疫について検討した。新しいhsp40とhsp70との関係をマウスの扁平上皮癌由来のSCCVII細胞を用いて検討したが、hsp40はhsp70と同様に熱のみならず砒素やプロススタンディンのストレスによっても誘導され、その合成量は温熱耐性の発現と一致ており、hsp40はhsp70とともに温熱耐性の指標に成り得ることが示唆された。次に温熱刺激による口腔粘膜上皮の免疫能をBalb/C雌性マウスを用い検討したが、Thy-1陽性細胞は上皮内でランゲルハンス細胞と近接しているのが認められ、その割合は温熱群に多く認められ、対照群との比は1.81:1であったことより粘膜上皮における温熱刺激は局所免疫機能を亢進させることが示唆された。温熱化学療法療法ではCDDP、家兎VX7移植舌腫瘍モデルを用いた。温熱療法と化学療法の併用群では腫瘍の消失が観察され、CDDP単独群と温熱単独群と比較して有意の差をもって抗腫瘍効果がみられた。またCDDPの投与時期の違いによる抗腫瘍効果にはこの実検系では差がみられなかった。以上のことをふまえて臨床に応用した。臨床用IHSは磁性体がFe-Pt合金であり(キュリー温度68℃)、腫瘍の大きさに合わせて使用した。症例は19例の口腔癌に対して行い、まず13例に対して、術前治療として温熱化学療法を施行したが、温熱化学療法後の臨床効果はCRが11例、PR2例が得られた。術後の摘出物での病理組織学的検討では12例において腫瘍細胞の消失を認めた。1例は腫瘍細胞の残存が認められ、その症例はT3の舌癌症例であった。他の6例は温熱療法のみで治療を終了している症例である。その結果、6例の内臨床効果は6例全てCRが得られ、口腔癌に対するIHSを用いた温熱化学療法は全く新しい癌治療の1つとして大きく期待できるものと思われた。
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