研究課題/領域番号 |
05J01618
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
土木材料・力学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋藤 拓也 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 生体高分子 / DNA / 荷電高分子 / 相転移 / 対イオン / 共イオン / 凝縮転移 / compaction / 一次相転移 / 単分子観測 |
研究概要 |
負に強く帯電するDNA高分子は水溶液中においてランダムコイル状態をとる。ここに多価カチオンを添加すると、DNA荷電高分子は凝縮転移を起こす。近年、この転移が一次相転移であることが蛍光顕微鏡を用いた単分子観測により明らかにされている。本研究はDNA凝縮転移における荷電の効果について研究を進めた。まず、多価カチオン存在下における共イオンの効果に関し、実験・理論両方面から研究を行った。同一濃度の一価カチオン濃度において共イオンの価数を上げると、コイル状態がより安定になることを蛍光顕微鏡を用いた単分子観測から見出した。この実験結果を説明するために、ベルムによって導入されたイオン対の概念をもとに解析を進め、従来の2状態近似を拡張したモデルを提案した。ここで、イオン対とは多価カチオンと共イオン(低分子アニオン)がペアを形成しており、これが多くコイル状態における凝縮領域に存在していることを示す。理論的解析により、この転移点の変化はイオン対の静電エネルギーの寄与であるとし、実験結果とよい一致を示した。更に、この概念は共イオン価数依存性が説明できるだけではなく、従来の理論的枠組みでは説明が困難であった温度依存性を説明し得るものである。凝縮状態は高温側で安定になり、コイル状態が低温側で安定になる。つまり、凝縮に伴い、エントロピーゲイン、エンタルピーロスが生じるが、このエンタルピーロスの起源を提案した。また、中性高分子存在下における共イオン価数依存性に関し、実験・理論の両方面から研究を進めた。その実験結果によると、共イオン価数が高いほど、コイル状態が安定になった。そして、Debye近似に基づくイオン雰囲気の静電自由エネルギーの計算とこの転移点の変化は定性的によい一致を示した。
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