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オトシブミ科における植物加工様式の多様性と進化

研究課題

研究課題/領域番号 05J02324
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 生態・環境
研究機関京都大学

研究代表者

小林 知里  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2005 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードオトシブミ科 / 植物加工 / 葉巻きの進化 / 寄生蜂 / 分子系統樹 / 祖先形質の復元 / 摂食部位の進化 / 行動の進化 / 寄生植物利用 / 寄生蜂群集 / ルリオトシブミ属 / マイカンギア菌 / 葉巻 / 分解特性 / リグニン / 多糖類 / 少糖類 / 羽化率
研究概要

本年度は昨年度に引き続き、様々な植物加工を行うオトシブミ科について寄生蜂群集を調べ、合計20種について寄生蜂群集を明らかにした。まず、加工が異なる種間では寄生蜂群集が大きく異なることが明らかとなり、植物加工と寄生蜂からの攻撃とが強く結びつくことを示した。また、葉を巻く種の寄生率は潜葉性の種より有意に低く、葉巻き行動は寄生回避に効果的であることが示唆された。具体的にはヒメコバチ科・ホソハネコバチ科の寄生が葉を巻くことで回避されており、さらに葉巻きを密封することでタマゴコバチ科Ophioneurusの寄生も回避できていることがわかった。複雑に折り畳む葉巻き行動を有するオトシブミ亜科では、特殊化した寄生蜂(タマゴコバチ科Poropoea)からの寄生を受け、回避できている種はほとんどいなかった。また、幼虫が茎を食べる種では、寄生率は0%であった。こうした結果は、オトシブミ科の「葉巻き」という特殊な植物加工の進化に、寄生蜂が大きく関わったことを初めて示唆するデータとして重要である。また、日本産オトシブミ科60種についての分子系統樹を基に、祖先形質の復元解析を行うことにより、オトシブミ科での葉巻き行動は何度も独立に起源し、獲得後1度も失われていないことがわかった。さらに、幼虫食性の進化の方向としては、茎・葉柄食から葉食へと進化したことが示唆され、葉食化したことにより増大した寄生圧を回避するために、葉巻き行動が何度も起源したことが示唆された。これらの結果は、植食性昆虫の植物利用の進化パターンとしてのみならず、昆虫の行動の進化を考える上で貴重な結果であると言える。

報告書

(3件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Contribution of symbiotic mycallgial fimgi to larval nutrition of a leaf-rolling weevil2008

    • 著者名/発表者名
      Chisato Kobayashi, Yu Fukasawa, Dai Hirose, Makoto Kato
    • 雑誌名

      Evolutionary Ecology (掲載決定)

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of leaf quality and microhabitat on the survival of a leaf-rolling weevil (Attelabidae).2007

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, C., Kato, M.
    • 雑誌名

      Ecological Research 22(1)

      ページ: 150-155

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [学会発表] 葉を巻けば撒ける寄生蜂・巻いても撒けない寄生蜂2008

    • 著者名/発表者名
      小林 知里、川添 和英、奥山 雄大、加藤 真
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-03-17
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 落葉潜葉性と生葉潜葉性チョッキリ類の寄生蜂群集の比較2007

    • 著者名/発表者名
      小林 知里、加藤 真
    • 学会等名
      日本昆虫学会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2007-09-16
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2005-04-01   更新日: 2024-03-26  

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