研究分担者 |
ピエロ フランソワ モンペリエII大学, 情報学ロボッティクス及びマイクロエレクトロニクス研究所, CNRS研究員
ドシェ ピエール モンペリエII大学, 情報学ロボッティクス及びマイクロエレクトロニクス研究所, CNRS上級研究員
阿部 幸勇 東北大学, 工学部, 教務職員 (80261600)
妻木 勇一 東北大学, 工学部, 助手 (50270814)
近野 敦 東京大学, 工学部, 助手 (90250688)
ネンチェフ ドゥラゴミー 東北大学, 工学部, 助教授 (80270809)
PIERROT Francois University of Montpellier, Institute of Information Science, Robotics and Microe
DAUCHEZ Pierre University of Montpellier, Institute of Information Science, Robotics and Microe
フランソワ ピエロ モンペリエII大学情報学ロボティクス及びマイクロエレクトロニクス研究所, CNRS研究者
ピエール ドシェ モンペリエII大学情報学ロボティクス及びマイクロエレクトロニクス研究所, CNRS上級研究者
ドゥラゴミール ネンチェ 東北大学, 工学部, 助教授
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研究概要 |
パラレルロボットは従来のシリアル型のロボットと比較して,高精度,高負荷,高剛性,高速性などの面で優れ,近年とくに研究者の注目を集めている.このパラレルロボットの形態のひとつとして,フランスモンペリエII大学のフランソワ・ピエロ氏により提案されたHEXA機構がある.研究代表者はこのHEXA機構に注目し,提案者であるフランソワ・ピエロ氏と豊田工機(株)との間で3者共同研究を行ってきた.現在,HEXAロボットをそれぞれの研究機関において所有し,研究を行っている.本研究では,このパラレルロボットを用い,以下の目的を達成するために研究を行った. 1.高速動作の検証 2.高精度軌道追従性能の実現 3.力覚センサを用いない力制御の実現 4.作業領域内に存在する特異点の解析及び特異点通過経路計画法の確立 5.新型HEXAの概念設計 これらの目的を達成するために以下の調査研究を行った. 1.平成6年度には,内山勝,近野敦,阿部幸男がモンペリエII大学を訪問し,実験装置,制御システム等の視察を行った.その結果,パラレルロボットの制御に関連した多くの有益な情報を得ることができた. 2.同年度,ピエール・ドシェ氏を東北大学に招へいした.同時期にCNRSの補助によりフランソワ・ピエロ氏も来日し,本学における実験装置と共に,これまでの本学における成果を視察し,制御理論及び制御システムに関して意見交換を行った。 3.平成7年度には,内山勝,ドゥラゴミール・ネンチェフ,妻木勇一がモンペリエII大学を訪問し,互いの成果を公開し意見交換を行った. 4.また,同年度,フランソワ・ピエロ氏を東北大学に招へいした.この時,仙台において開催された,International Symposium on Microsystems,Intelligent Materials and Robotsにおいてパラレルロボットのオ-ガナイズドセッションを組み,これまでの研究成果を一般公開した. 5.同年度,内山勝,阿部幸男が米国で研究中のフランソワ・ピエロ氏及びピエール・ドシェ氏を訪問し.新型HEXAに関して議論を行った. これらの調査研究により以下に示す研究成果が得られた. 1.高速動作の検証 高速性を評価する方法として,ロボットメーカのアデプト社がロボットの運動性能の評価方法として定めたアデプトモーションを採用した.その結果,1サイクル0.465秒の高速動作を実現した.また,最大加速度27.8Gを達成した. 2.高精度軌道追従性能の実現 HEXAに動的制御を導入し,高い軌道追従性能を実現した.また,速度のフィードフォワードを行うことで,動的制御を行った場合とほぼ同等の性能が得られることを明らかにした.動的制御に比べ計算量の少ない本手法はより実用的である. 3.力覚センサを用いない力制御の実現 HEXAロボットはダイレクトドライブモータを使用しているため,力覚センサが無くても力の制御が可能である.そこで,力覚センサを使わないコンプライアンス制御を実現し,実験により本手法の有効性を検証した.また,同時に摩擦補償の新しい手法を提案した. 4.特異点通過経路計画法の確立 パラレルロボットには,過可動特異点および劣可動特異点というシリアル型にはない特有の特異点が存在する.そこで,零空間ベクトルに基づく手法を用い特異点を通過するための経路計画手法を提案し,実験により検証した. 新型HEXAの概念設計 これまで得られたパラレルロボットに関する多くの知見に基づき,現在新型HEXA実現に向けて,概念設計を行っている.新型HEXAは更なる高速性能を目指し,最大加速度50Gを目標としている.
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