研究概要 |
体にさわるといった身体的接触行為は、家族的と呼ばれるコミュニケーションの重要な要素である。本研究は、身体的接触行為の実態とその意味、生じてくる感情を社会学的に分析することにより、現代日本の人間関係の一側面を明らかにすることを目的としている。 研究目的を達成するために、インタビュー調査,学生対象のパイロット調査,学生,一般市民を対象に、本調査を行った。 調査研究の結果、次の3点が明らかになった。 (1)家族の身体接触の実態 家族に関する身体接触は、欧米に比べ低調である。特に、夫婦間の身体的コミュニケーションが不活性なのが目につく。男性に比べ、女性、特に女性間のコミュニケーションが活発である。 (2)介護における身体接触の意味の把握 男女とも、男性に介護されることをいやがり、女性に介護されることを好む。この身体的コミュニケーションに関する意識が、介護担当者が女性であることを固定化する要因となっている。 (3)身体接触の一般的意識を把握すること 性的接触の公然化に対して、女性の嫌悪感が強いことがわかった。 女性の身体加工(ピアスや茶髪)は肯定されるが、男性の身体加工に対しての嫌悪感が強いことがわかった。
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