研究課題/領域番号 |
06453046
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 玲子 東京大学, 教養学部, 教授 (90186552)
|
研究分担者 |
杉山 亨 東京大学, 教養学部, 助手 (40242036)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
|
キーワード | 三重らせん / 塩基配列 / 金属錯体 / キラリティー / CDスペクトル / 3重らせん / ビピリジン / 銅錯体 |
研究概要 |
我々の一貫した分子レベルでの塩基配列認識機構の解明と塩基配列認識能の高い低分子量化合物の開発研究のなかで、近年3重らせんによるDNA塩基配列認識に着目している。3重らせんはアンチセンス法と並び特異的に塩基配列を読むことが期待されるもので、転写阻害による遺伝子発現の制御、DNA複製の阻害が報告されている。しかし、3重らせんの形成はもとの二重らせんの片側がhomo-purine、もう片側がhomo-pyrimidine配列である場合に限られるという大きな制約がある。これを克服し任意の長い塩基配列を認識する3重らせん形成のためには、通常のオリゴヌクレオチド以外のパ-ツからできたポリマーを考える必要がある。本研究では、任意の塩基配列認識能をもつ3重らせん形成オリゴマーの設計を試みた。金属錯体のような全く新しい構造単位も有効であるが、その場合スムーズなbackboneの形成が難しくなる難点を克服しなくてはならない。今回はまずbackboneの形成がスムーズに行え、金属の配位子ともなり得る、塩基選択制の高い新規ヌクレオチド類似化合物をデザインした。合成にとりかかる前に分子力場計算を行い、新規化合物の塩基配列特異性を確認した。現在合成ルートの検討を終え、合成を開始したところである。さらに、錯体によるgroove内でDNAのchirality認識、相互作用の程度を、銅錯体をあらたに合成し、銅の酸化還元によるDNA切断からを推測した。また、grooveでの結合情報を得るために、誘起CDスペクトルを用いてポルフィリン金属錯体とDNAとのgrooveでの相互作用を定量的に研究する方法を開発した。われわれがこれまで蓄積してきたgroove結合化合物の研究成果と融合させ、3重らせんの研究をいっそう発展させていく予定である。
|