研究課題/領域番号 |
06454716
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
有川 二郎 北海道大学, 医学部, 教授 (10142704)
|
研究分担者 |
谷口 孝喜 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40094213)
苅和 宏明 北海道大学, 大学院・獣医学研究所, 講師 (70224714)
喜田 宏 北海道大学, 大学院・獣医学研究所, 教授 (10109506)
東 市郎 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (50028411)
橋本 信夫 北海道大学, 獣医学部, 教授 (60082103)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | センダイウイルス / ロタウイルス / ハンタウイルス / アジュバント / MDP / 仮性狂犬病 / 粘膜免疫 / 動物実験 / インフルエンザウイルス / ウイルス感染 |
研究概要 |
免疫機能の未成熟な幼若個体への免疫アジュバントの投与によって、免疫力の賦活化を試み、そのウイルス感染症からの回復に及ぼす効果の解析を目的とし以下の成績を得た。 1.呼吸器急性感染症、消化器急性感染症および全身感染症モデルとしてそれぞれセンダイウイルス、ロタウイルス、ハンタンウイルスおよびヘルペスウイルスと主に幼若マウスの組み合わせで実験感染系を確立した。 2.免疫アジュバントとしてMDP-Lys(L18)を選択し、経口、経鼻、経直腸、皮下ルートでの投与法を確立した。 3.センダイウイルスと成熟BALB/cマウス8(5週齢)の組み合わせでは、MDP-Lys(L18)をウイルス接種の-1から-3日に皮下、経鼻、経口、経直腸のいずれのルートで投与しても肺組織中でのウイルス増殖が抑制され有意な生残率の上昇が認められた。特に、経直腸ルートの投与でも呼吸器感染に対する防御効果の増強が注目される。 4.消化器急性感染症のモデル:ロタウイルスと哺乳マウス(BALB/c、生後10日齢)の組み合わせではMDP-Lys(L18)をウイルス接種の-1から-2日に皮下、経口、経直腸のいずれのルートで投与しても下痢の発症数の有意な低下、下痢症状の軽減およびウイルス増殖の抑制が観察された。 5.ハンタンウイルス(腎症候性出血熱、Hantaan76-118株)と哺乳マウス(BALB/c、生後1日齢)の組み合わせではウイルス接種-1から+7日にMDP-Lys(L18)の皮下接種でのみにより有意の生残率上昇が観察された。 6.以上の成績は、免疫アジュバントによって粘膜共通免疫系全体の賦活化の可能性を示唆するものである。今後さらに免疫機能増強の定量的評価必要であると考えられる。さらに、粘膜共通免疫系を利用してワクチン抗原に対する特異免疫増強をも同時に免疫アジュバントによってさらに増強する試みも必要となろう。
|