研究課題/領域番号 |
06555154
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
交通工学・国土計画
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中辻 隆 北海道大学, 工学部, 助教授 (60123949)
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研究分担者 |
瀬尾 卓也 建設省土木研究所, 道路部, 室長
萩原 亨 北海道大学, 工学部, 助教授 (60172839)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | レーザー光 / 視線誘導 / 霧 / 視程 / 輝度 / 照度 / コントラスト / 運転者 / レーザ光 / 運転者の視認性 / 視界不良 |
研究概要 |
本研究では、霧中での視線誘導灯の光源としてレーザ光を用いることを試みた。レーザ光は、単色性、指向性が強い、エネルギー集中度が高い、高輝度性がある光である。実際にレーザ光を霧中で発振させ、その光路の視認性実験を行った。実験の目的は、レーザ光の光路が線光源として視認可能であることを示すと同時に、霧の濃度の上昇に伴いレーザ光路の視認性が増す現象を実験的に示すことである。実験は、人工的に霧を発生することが可能であり、かつ照度の設定が可能な建設省土木研究者屋内標識実験施設において実施した。天井に設置したノズルから霧雨を噴出させ、送風機でこれをかくはんさせることによって屋内で人工的に霧や雨を発生させることができる。人工霧の平均粒径は、105(μm)であった。霧の発生直後の濃度は視程約10mであり、何も見えない状態となる。その後水粒子の沈降によって自然に霧が回復する過程で、輝度測定実験と視認性評価実験を行った。霧中におけるレーザ光の輝度を測定した結果、従来の視線誘導灯とは異なる特徴を示せた。霧の濃度が高くなっても測定輝度が低下しない点、連続した線光源として視認できる点である。一方、周囲に非常に明るい時や、レーザ光との視認角度が大きい時に、レーザ光の視認性はあまり期待できないことが分かった。視程が50m前後の状況で線光源として視認できるレーザ光の視線誘導効果は非常に大きかった。道路空間で視線誘導灯の1つの点が見えても1次元的な情報であり、道路の進行方向を知るためには次の点が見える必要がある。レーザ光は、1個の光源で2次元的な道路方向を運転者に知られることができる。「視線誘導標の見え方試験報告書」においても、単体設置と連続設置を比較した場合、連続設置の方の評価がやや上回るとされている。線光源としての有用性についての議論は、実験に参加した被験者の実験後の感想にも記されていた。レーザ光は、夜間の透過率が低い状況で利用を想定したとき、グレアを起こさず高いコントラストによる2次元的な視線誘導が可能であり、視界不良時の視線誘導灯として今後の応用が期待できる。
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