研究課題/領域番号 |
06559007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学部研究科, 教授 (80016675)
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研究分担者 |
佐藤 文宣 ミズノ(株), 研究開発部, 研究員
福岡 正信 アシックス(株), スポーツ工学研究所, 研究員
宇佐美 彰朗 (宇佐美 彰郎) 東海大学, 体育学部, 教授 (90119652)
小林 一敏 中京大学, 体育学部, 教授 (90015967)
伊能 教夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学部研究科, 助教授 (70126308)
佐藤 丈宣 ミズノ(株), 研究開発部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | ランニング・シューズ / 衝撃吸収 / 落錘試験 / 力学特性 / 官能評価 / 感性工学 / ランニング / シューズ / スポーツ・サーフェス / 生体 / 衝撃吸収性 / 衝突試験システム / 材料特性 |
研究概要 |
ランニング・シューズは決して複雑な構造はしていないが、実際に履いてみると、ヒトによってさまざまな評価(官能評価)に分かれる。そして、ランニング・シューズの多様化はますます進んでおり、ランナーにとってシューズの選択は大きな問題となってきている。シューズの選択に何らかの基準を与えるとすれば、まずランナーの官能評価を左右する因子を特定する必要がある。専門的なランナーは、傷害防止の観点からソ-ルの機能と特性を最も重視していると言われている。しかし、その関連性を具体的に調べた研究はなく、シューズの客観的な特性とランナーによる主観的な官能評価との相関を明らかにする必要が求められている。そこで本研究は、ランニングを専門的に行っているランナーを対象にして、彼らが重視しているシューズ・ソ-ルの力学特性と官能評価との相関を探ることを目的とした。 まず、シューズに対する評価を多方面から調べるために、異なったメーカーのシューズの比較調査、次に同じメーカーの異なったモデルのシューズの比較調査、さらにシューズの使用履歴に関する追跡調査を行った。そして、ランニングの着地におけるシューズとサーフェスの衝突条件に合わせたシューズ・ソ-ルの衝撃試験を行った。衝撃試験から求められた力学量から、シューズの特性を表わせるような評価関数を求め、評価を行った。その結果とヒトの感覚による官能評価との比較により、一定の相関のあることを示した。 本研究の成果をまとめると以下のようになる。 1)シューズとサーフェスの衝突条件(最大衝撃荷重約2kN、衝突速度約1m/s、荷重持続時間約20〜40ms)に合わせたランニング・シューズの緩衝特性を導くための試験法と計測法が確立された。 2)シューズの緩衝特性を表わす力学量(最大衝撃荷重、最大変形量、平均ヤング率、エネルギー吸収率など)が、衝撃試験から求められた。 3)機械試験による評価と官能評価の相関性について、各力学パラメータを組合せた評価関数によって、一定の傾向が確認され,ヒトの足に適したランニング・シューズの力学特性が推定できた。 4)シューズの使用履歴によるヒトの官能評価の変化は、シューズの平均ヤング率の増加とクッション性能の低下と相関のあることが明らかになり、シューズの耐久性に関係する力学パラメータが特定できたと考えられる。 以上により、機械試験結果から、ランニング・シューズ選択に基準を与える一つの試みに成功したと考える。この成果は、より信頼性のあるランニング・シューズ評価法の確立につながるものと期待される。
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