研究課題/領域番号 |
06660397
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 助教授 (80159582)
|
研究分担者 |
小俣 吉孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10132987)
斎藤 篤志 (齋藤 篤志) 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10002263)
鈴木 直義 帯広畜産大学, 名誉教授 (10003071)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
|
キーワード | Babesia ovata / Babesia equi / Babesia caballi / in vitro培養 / 蛍光抗体法(IFA) / 抗体調査 / モノクローナル抗体 / 酵素抗体法(ELISA) / ウマバベシア / in vitro連続培養 / 低酸素 / 凍結保存 |
研究概要 |
赤血球内寄生原虫であるバベシアは牛、馬などに感染し世界的に甚大な被害を与えている。しかしながら、これらの原虫の培養法が未だ確立されていないため、研究材料の確保が難しく、特異性や感度の高い診断法、および抗バベシア剤やワクチンの開発についての検討が遅れている。本研究では、ウシ及びウマのバベシア原虫のin vitro長期連続培養法を確立し、更に培養で得られた原虫を用いて診断法について検討を行った。ウシバベシア原虫B.ovataでは、199培養液(40%ウシ血清添加、pH7.0)、赤血球容積が10%、低酸素のガス(5%酸素5%炭酸ガス90%窒素)の培養条件下でB.ovataの増殖が認められた。2代以後は3-4日間の継代培養間隔で赤血球感染率が6-10%に達し長期連続培養が可能となった。また、数代継代後は5%CO2のガス条件下でも培養可能であることが判明した。B.equiでは、199培養液(ハイポキサンチン、40%ウマ血清添加、pH7.0)、赤血球容積5〜10%、低酸素のガス(2%酸素5%炭酸ガス93%窒素)の培養条件でB.equiの増殖が認められた。2代以後は5-7日間の継代培養間隔で赤血球感染率が2-3%に達し連続培養が可能となった。同様に、B.caballiではRPMI1640培養液(L-glutamin、40%ウマ血清添加、pH7.0)赤血球容積が5〜10%、低酸素のガス(2%酸素5%炭酸ガス93%窒素)の培養条件下でB.caballiの増殖が認められた。2代以後は5-7日間の継代培養間隔で赤血球感染率が2-3%に達し連続培養が可能となった。また、これら培養で得られた原虫を抗原として用いた間接蛍光抗体法による血清中の抗体調査を行ったところ、モンゴルでは80%以上の馬が感染している事が明らかとなり、日本のウマ血清においても抗体の存在が疑われる例が認められた。また、特異的抗原の精製を目的としてB.equi及びB.caballiに対するモノクローナル抗体を作製した、その中の一つのモノクローナル抗体はB.equiの19kDAの抗原を認識し、in vitroで50%の増殖を抑制する。今後の、これらの抗体を認識する抗原を用いた新しい診断法の開発が必要である。
|