研究課題/領域番号 |
06671081
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
塩原 信太郎 金沢大学, 医学部・附属病院, 助教授 (10135056)
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研究分担者 |
上田 幹夫 金沢大学, 医学部, 助手 (90193812)
中尾 真二 金沢大学, 医学部, 講師 (70217660)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 同種骨髄移植 / 同種免疫療法 / GVL効果 / ドナーリンパ球輸注(DLT) / 再発治療 / T細胞クローン / GVHD / 骨髄移植 / 抗白血病(GVL)効果 / 再発予防 |
研究概要 |
同種骨髄移植後白血病が治癒するメカニズムは同種免疫療法(allo CT=allo cell therapy)による白血病細胞の排除機構であることを明らかにし、ドナーリンパ球輸注(DLT=donor leukocyte transfusion)という新しい治療法で再発治療が可能であることを示した。 同種骨髄移植により治癒したと考えられる患者の骨髄細胞を培養し、造血コロニーのホスト由来と白血病特異的DNAの有無を検討した結果から治癒が維持されるにはキメラT細胞の抗白血病効果(GVL=graft-versus-leukemia)効果が必要であることを明らかにしてきたが、この2年間の研究では、(1)このGVL効果は移植後にもDLTによって増強できる。(2)一部の移植後再発例はDLTのみで寛解導入できる。(3)奏功率は疾患によって異なり慢性白血病には有効だが急性白血病では奏功しにくいことを明らかにした。さらに、DLTの問題点はGVHDだが、急性GVHDを認めずにDLTが奏功し完治した症例の末梢血T細胞を用い、T細胞レセプター(TCR)のクロナリティーを検討した結果、TCRVβ15陽性T細胞中に明瞭なバンドが検出できた。この結果はGVL効果を誘導するT細胞とGVHDを誘導するT細胞とは異なり、もし白血病細胞を特異的に障害するCTLが試験管内で増幅できれば養子免疫療法によって白血病の一部を治癒させうる可能性を示した。DLTによるGVL効果の全国調査では奏功率はCMLの慢性期で100%、急転期0%、AML/ALL20-30%、MDS 50%と欧米の報告に似ていたが、ALLに対しても約20%の奏功率が認められた点や、GVHDが40%程度と少ない点から、このDLTによる治療法は本邦では非常に安全な治療法であることが解明できた。このようなGVL効果の標的抗原を明らかにする研究は今後最も興味のある課題となるであろう。
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