研究課題/領域番号 |
06671178
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大内 憲明 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90203710)
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研究分担者 |
平川 久 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10250763)
高橋 徹 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10004590)
森 昌造 東北大学, 医学部, 教授 (70004877)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 乳癌 / 乳管内進展 / 乳房温存療法 / 三次元構築 / 癌遺伝子 / 3次元構築 / 癌関連抗原 / sialyl-Tn |
研究概要 |
1)癌および異型病変の生物学的特性:癌遺伝子産物と癌関連抗原の発現を検討したの結果、乳管内癌のみならず、異型上皮過形成でras p21蛋白、MUC1およびAM抗原の発現が認められた。この結果は乳癌に併存する管内進展病巣がmalignant potentialをもつことを示し、乳房温存療法における癌の乳管内進展の生物学的意義が明らかとなった。 2)コンピュータ3次元構築により、乳癌の進展を解析し、乳管内進展をintraductal spreading of carcinoma (ISC)として定義した。進展程度を高・低度群の2群に分けると、多発病変は高度群の70%、低度群の7%と高度群に多発していた。また断端陽性例はすべて高度群であった。乳房温存療法で問題となる乳房内再発の危険因子として、高度な乳管内進展病巣とこれに伴う多発病巣の存在が挙げられることが判明した。 3)乳癌の管内進展と癌関連抗原・遺伝子産物の発現:高度の進展群でMUC1及びsialyl-Tn抗原が発現した。一方、c-erbB-2蛋白およびp53蛋白の発現は高、低進展群間で差はなかった。管内進展程度と抗原の発現とは相関し、進展例では癌のprogressionが高度であると考えられる。 4)乳房温存療法への応用:本研究により乳癌が末梢から中心乳管に進展すること、進展巣がmalignant potentialを有することを確認した。癌の進展を乳管小葉系との関連で定義することで正確な状態を把握できた。この3次元の結果を2次元に生かし、病理検索法を簡略化した。SchnittらのEICは通常切片で判定できる利点があるが、癌の進展を示していない。我々はEIC (+)例は全てISC高度例であり、EIC (-)例の28%にISC高度例を認めた。しかるに、EIC (-)例に対しては主腫瘤周囲のブロック検索を追加することで、高度な管内進展例を判定できる。一方、管内進展巣の多くがER (+)であり、内分泌療法に反応することが期待される。しかし、化学療法または照射療法などの治療反応性の検討がさらに必要である。
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