研究課題/領域番号 |
06671938
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 國彦 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20142739)
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研究分担者 |
小玉 尚伸 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30261316)
疋田 一洋 北海道大学, 歯学部, 助手 (20238281)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 接着性レジン / 象牙質表面処理 / 接着機構 / 樹脂含浸層 / 次亜塩素酸ナトリウム |
研究概要 |
研究者らはこれまで、象牙質の表面処理としてリン酸と次亜塩素酸ナトリウムを用いた象牙質表面処理法について検討を行い、象牙質に対してもエナメル質に匹敵するほどの接着強さ及び接着耐久性が得られることを報告している。本研究は、その象牙質と接着性レジンの接合界面の超微構造を三次元的に構築し、観察することによって接着機構を解明することを目的としている。そこで、レジン-象牙質接合界面の超微構造の観察を透過型電子顕微鏡を用いて詳細に行った結果、これまでリン酸と次亜塩素酸ナトリウム処理を行った象牙質は、健全象牙質に近い組成と構造をもっているため、接着性レジンによる樹脂含浸層は存在しないと言われていたが、非常に薄い層であるが樹脂含浸層が観察された。また、この処理法にセルフエッチングプライマー処理を追加することにより、象牙質表層にハイドロキシアパタイトの結晶を含む樹脂含浸層の形成が認められた。この樹脂含浸層は、接合界面に不安定なスメア層や脱灰コラーゲン層を介在しないため、いわゆる脱灰コラーゲン層内に形成された樹脂含浸層に比べ非常に安定であると考えられ、これによって強固で耐久性のある接着が得られたものと考えられた。本研究では、レジン-象牙質接合界面の超微構造を三次元的に構築することも目標としたが、象牙質のような硬組織は包埋樹脂の浸透性が悪いため超薄切には困難を伴う上に電子線照射により試料が破壊されてしまうといった問題もあり、連続超薄切片は得られず、レジン-象牙質接合界面の超微構造の三次元的構築はできなかった。しかし、様々な試料を作製し、透過型電子顕微鏡で詳細に観察を行うことによりリン酸と次亜塩素酸ナトリウムを用いた象牙質表面処理法の接着機構に関して上述のように、かなりの部分が解明できたと考えている。今後はさらに簡便な方法でスメア層を除去し、健全象牙質を露出させる方法を検討する予定である。
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