研究概要 |
(1)都市道路の整備事例より,機能更新・修景・修復のための整備手法としての道路デザインに関する情報を,196整備事業分について抽出・整理し,(1)整備写真をイメージスキャナーで読み込んだもの(“情景写真"),(2)景観特性(事例で採用している物的・空間的手法とその組み合わせから生じる場景を50文字程度で記述した“情景記述文"),(3)場景記述文分析データ(表相-裏相成分分析データ)などで都市道路デザイン情報データベースを構築した.その上で整備事業内容と効果などについて,整備の対象となる道路構成要素を16種類で分類し,それぞれの要素に対する整備手法について考察した. (2)前述のデザイン情報データベースをもとに,デザインプロセスにおけるイメージづくりの段階で,デザイン対象の「形象的イメージ」をイメージ画像で,「意味的イメージ」をイメージ文でつくりあげることを支援するためのイメージ形成支援システムの構築を試み,システムの考え方とシステム構成などを中心に論じ,システムの論理,可能性と課題を追求した. (3)前述のデザイン情報データベースをもとに,事実としての知識(データ)と,課題解決のためのルールに関する知識について分析・整理し,知識ベースの構築を試みた.計画者が景観形成上あるいは空間構成上の課題に直面したとき,この知識ベースを用いて課題に対応した方策・手段を見いだすための専門的な知識情報を助言することができれば非常に有効であると考えられる.そこで,種々のデザインに関し,(1)デザインの置かれた状況(コンテキスト)の特定,(2)デザインにおいて問題にされている事柄,達成目標,効果などの明確化,(3)デザインを構成する物的要素の配置構成の特定によって,道路デザインの問題構造を解明すれば知識ベースの構築につながると考え,道路の空間デザインに適用して知識ベースの構築を行った.
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